2020年1月25日

朝日ラバー
新しい伸縮配線開発

独自の立体構造による低応力で伸縮

朝日ラバー(渡邉陽一郎社長)は、切り紙構造とゴムを複合することによって低応力で伸長し、耐久性と抵抗値特性に優れた新しい伸縮配線(写真)を開発した。ゴムの復元力と立体的な構造によって、さまざまな配線としての活用が可能となる。

日本の伝統工芸である「切り紙」に着想を得て、立体的に構造変化するよう加工された導電フィルムの周囲を独自のシリコーンゴムで封止。低応力によって伸長と高い絶縁性を可能にし、ゴムの復元力で収縮することで高い耐久性を兼ね備えた配線を実現した。意匠第1642470号取得、特許出願中。

独自の複合化技術により、100%の伸縮試験でも70万回の伸縮でもほとんど抵抗値が変わらず、電気特性の安定した接続が可能。市販のFPC(フレキシブルプリント配線板)コネクタに接続可能で、配線パターンを変更することによって伸長率や配線の長さやチャンネル数をコントロールすることができる。

標準品仕様としては、サイズが110㍉×20㍉、厚さが0・5㍉以下。配線数は4ラインで抵抗値は3~4㌊/ライン。FPCの厚みは0・3㍉、6ピン、0・5㍉ピッチ、永久変形率(50%伸縮)で100万回による結果0%。伸縮耐久性試験(80%伸縮)での100万回の抵抗値変化もなかった。伸縮耐久性試験(100%伸縮)による70万回の抵抗値の変化は10%であった。

今後の展開としては、新しい伸縮配線は生体センシングの分野での活用が見込まれており、一例として、早稲田大学と北里大学との共同研究で発表された新しいウェアラブル筋電計測デバイスの一部に用いられた。さまざまなスポーツにおける計測に活用されるほか、ウェアラブルデバイスやロボット、介護などの配線として幅広い分野での活用が見込まれている。