2020年3月25日

BASF
3社共同で電池リサイクル事業

フィンランドの業界が協力強化

BASF(マーティン・ブルーダーミュラー会長)およびのフィンランド電気事業会社であるフォータム(ペッカ・ルンドマークCEO)、ロシアの非鉄金属生産企業のノルニッケル(ブラジミル・ストルジャルコフスキーCEO)の3社は、電気自動車市場を支える電池リサイクルの共同事業を行ことで基本合意書に調印した。この共同事業により、使用済み電池に含まれる重要な金属を抽出し、原料として電池材料製造に再利用する電池循環システムの構築が実現する。

リサイクル電池の金属を使用して電池材料を製造することにより、電気自動車の生産におけるCO2の大幅な削減を実現できる。さらに、リサイクルプロセスにフィンランドの再生可能な電力を使用することで、CO2の一層の削減を達成することが可能となる。

リチウムイオン電池に含まれる有価金属をリサイクルすることによって、主要原料であるコバルトやニッケル、その他の重要金属の供給を補完。電気自動車用電池の環境負荷を低減する。フォータムは、低CO2の湿式冶金プロセスを専門とするフィンランドの成長企業であるクリソルテック社を既に買収。子会社化しており、リチウムイオン電池の希少金属の回収率を50%から80%以上にまで高めており、今回の事業を有利に進める展開に貢献する。

BASFでは、今回の協力体制の下で開発されるプロセスによって生まれるリサイクル材を、フィンランドのハルヤヴァルタで建設を計画している電池材料の前駆体工場で使用する予定。電池材料の生産とリサイクルを組み合わせることにより、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)を実現する。e—モビリティの実現に貢献する目的から、BASFは高エネルギー密度の正極材および電池リサイクル用高効率リチウム抽出に向けたソリューションをもたらす取り組みに注力。BASF、フォータム、ノルニッケルの3社は、電池市場において再生原料の責任ある生産および利用を促進する事業体制の構築を目指す。

ノルニッケルは、ノルニッケル・ハルヤヴァルタ社に隣接してニッケル精錬所を構えており、近代的なリサイクル設備として稼働していることから、ノルニッケル・ハルヤヴァルタ社は、世界で最も持続可能な精錬所としての役割を一段と発揮。この設備は、リチウムイオン電池に使用される2種類の主要金属の持続可能な処理に最適で、リサイクル・ソリューションの開発は、CO2排出量をさらに削減し、サステナビリティを高めるというノルニッケルの戦略に力を与える。

電池産業が、電気自動車分野において重要金属の需要の高まりに対応できるようにすることは、今後に向けての不可欠な課題であり、国境をまたいだ3社では、今回の共同事業がその解決に向けた協力なメソッドであることを立証する。