2020年5月30日

住友ゴム工業
2020年12月期第1四半期決算

コロナで82億円減益
産業品他事業は増収増益

住友ゴム工業(山本悟社長)の2020年12月期第1四半期決算の売上収益は前年同期比9・7%減の1907億9400万円、事業利益は同54・7%減の25億7500万円、営業利益は同54・0%減の27億5300万円、税金費用を計上した後の最終的な四半期損失は34億300万円(前年同期は28億5500万円の利益)となった。このうち売上収益167億円、事業利益、営業利益ともに82億円、四半期利益52億円が新型コロナウイルス感染症による影響を受けた。事業利益における増減要因は原材料の低下で54億円(天然ゴム3億円のマイナス、石油系54億円のプラス、他が3億円のプラス)、価格で12億円、直接原価で10億円、スポーツ事業の増益8億円、産業品他事業の増益で4億円の増益要因があったが、数量・構成他で14億円、固定費増で3億円、為替差損で12億円、経費増で8億円、新型コロナウイルス感染症による影響で82億円とマイナス要因が上回った。

セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前年同期比10・2%減の1631億8600万円(コロナの影響で132億円減)、事業利益は同51・6%減の20億7700万円(同61億円減)。国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めたが、自動車メーカーの生産台数が減少したことから売上収益は前年同期を下回った。国内市販用タイヤは、新商品「ビューロVE304」をはじめとするダンロップブランドの低燃費タイヤを中心に、高機能商品の拡販を推進したが、暖冬の影響による冬タイヤの販売が前年同期を下回ったことに加え、新型コロナウイルス感染症による影響を受け市場が低迷したことで振るわなかった。海外新車用タイヤは中国を中心に自動車メーカーの工場稼働停止や減産の影響により、売上収益は前年同期を下回った。海外市販用タイヤはアジア・大洋州地域では、特に中国で新型コロナウイルス感染症の感染拡大阻止に向けた大規模な都市封鎖が行われ、需要は大きく落ち込んだ。欧州・アフリカ地域および米州地域も同様に、新型コロナウイルス感染症の影響で市場が低調となったことから伸び悩んだ。

スポーツ事業の売上収益は同14・0%減の173億5100万円(コロナの影響で35億円減)、事業損失は3億9700万円(前年同期は8億5700万円の利益、コロナの影響で20億円減)。ゴルフ用品は、「ゼクシオイレブン」「ゼクシオエックス」が国内外で好調なスタートを切ったものの、新型コロナウイルス感染症に伴うイベント中止や自粛ムード、ロックダウン等の影響を受け、国内外ともに売上収益は前年同期を下回った。テニス用品も売上収益は前年同期を下回った。ウェルネス事業でも新型コロナウイルス感染症予防対策でスポーツクラブが一時休業を実施したこと等により、売上収益は前年同期を下回った。

産業品他事業の売上収益は同9・2%増の102億5700万円(コロナの影響で1億円増)、事業利益は同67・9%増の8億8700万円と増収増益となった。医療用精密ゴム部品や制振ダンパー、インフラ系商材、手袋が堅調に推移したことから、売上収益は前年同期を上回り、事業利益も増益となった。

今期については新型コロナウイルス感染症による影響を合理的に算出することが困難であることから、今年2月に発表した業績予想をいったん取り下げ、未定としている。今後、業績予想の算出が可能となった時点で開示される。