アシックス
「エボライドオルフェ」発表

アシックス（廣田康人社長）は７月２１日、ランナーの走りの特徴を瞬時に解析し、リアルタイムの音声コーチングによってアドバイスするスマートシューズ「エボライドオルフェ」について、ウェブを通じたオンライン発表会を通じて披露した。履いて走るだけでランニング中の足の動きをデータ化し、一人ひとりの走り方の特徴を可視化。その場で「ピッチを上げてください」「ストライドをもう少し大きく」などのアドバイスを、その場で音声によって伝える。スキルアップなどといった既成概念にこだわらず、個々のランナーの目標を事前にインプットし、その達成に向けてサポートする。

発表会では、事前収録によってコメントを発した廣田社長が「今回のエボライドオルフェは、当社とセンシングソリューションなどを開発しているスタートアップ企業であるノーニューフォークスタジオとの共同開発によって実現した。当社が長年にわたって培ってきた知見とノーニューフォークスタジオの先進的な要素技術を採り入れた画期的なスマートシューズであり、履いて走るだけでランナーの足運びや走り方が瞬時にフィードバックされる。最近のコロナウイルス感染拡大の影響もあって、街中ではランニングによって体力維持を図る様子も目にするようになった。当社としては、デジタルや新しい技術を駆使して健康を維持する手助けを実施することも当社に課せられた使命であると信じている。ぜひとも新しいランニングの魅力を味わい、少しでも楽しく健康維持に取り組んでほしい」と期待の言葉を届けた。

同社の執行役員で、スポーツ工学研究所の原野健一所長は「当社は中計のアシックス・グロース・プラン２０２０において、人々の多様な価値観を重視しながら幸せな生活を送ってもらうための研究開発に取り組んでいる。スポーツの楽しみ方は一人ひとり異なるが、その価値感を尊重しながら、豊かなライフスタイルを送ってほしい。今回の商品は、最も新しい機能を備えたスマートシューズとして提案するものであり、注目に値するものと期待している」と、自信のほどを述べた。同研究所スポーツコンテンツ研究部の猪股貴志氏は「エボライドオルフェは、ランナーが本当に求めるシューズを追求し、約３年間をかけて開発した。センサーによって自らの走りを理想に近づける、あたかも自分専用のシューズとしての存在感を実感して頂けると思う。ランナー個々は走りの目標を思い描きながら走っているが、多くのランナーは現実とのギャップに悩んでいる。パフォーマンスを上げるだけでなく、けがのないトレーニングを長続きさせたいランナーにとっても理想の一足となるだろう」とシューズに対する思い入れについて語った。

ノーニューフォークスタジオの菊川裕也ＣＥＯは「創業以来、スマートシューズの研究を進めてきたが、アシックスさんとのここ数年の取り組みによって、実現できたことを本当に幸せに思う。以前は、プロの世界でもＡＩに勝てない時代もあったが、最近ではＡＩの能力を超えた手法を繰り出すことで、人間が勝利する場面も出てきた。ＡＩもさらに進化しているが、人間とのかかわりによって、ともにレベルアップにしのぎを削ることになるだろう。アシックスさんのシューズもさまざまなデータが得られることで、さらに進化を遂げていく。スマートシューズの提供で満足することなく、パーソナライズな方向性で進化させ、次の新しいスマートシューズの姿を描いていきたい」と今後に向けた思いについて語った。