2020年11月25日

【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】三ツ星ベルト
改正食品衛生法適合

要求性能も満たして提案

三ツ星ベルトの搬送ベルトの事業動向は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあって、搬送ベルトの売り上げは伸び悩んでいる。3月ごろまでは比較的堅調に推移していたものの、4月に入ってからは厳しい状況が継続。足元では、やや回復傾向も見受けられるが、先行きの見通しは不透明であり、楽観視はできない状況にある。

比較的需要が安定しており、事業分野としても高い位置付けにある食品業界においては、お土産用の菓子メーカーなどで、稼働率の低下に見舞われているユーザーが見られる一方、コンビニやスーパー、製パンメーカーなどは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が比較的少ない。食品分野の生産も好調に推移しており、ユーザーの業態や業種によって明暗を分けている。同社としても、稼働率の低いユーザーにおいては、ベルトの交換需要が減少傾向にあり、フル稼働状態のユーザーでは、需要こそ見込めるものの、ベルトの交換時期の予測を見極めるのが難しいといった一面もある。

物流業界については、案件の受注状況は比較的堅調に推移しているもののゴムコンベヤベルトも、樹脂ベルトと同様に、全体的にベルト交換頻度が低下している状況がマイナス要因となっている。

世間がウイルスや細菌に対して、かつてないほど神経質になっている中で食の安全も一段と厳格化。取り巻く環境としては、改正食品衛生法の施行に伴い6月からポジティブリスト制度が導入された。ただし同社の食品用ベルトは、ほとんどが適合製品であり、新たな手順を組み入れることなく、従来からの顧客にはそのまま継続して使用してもらいながら、高い要求にこたえるスペックも維持している。適合していないベルトを使用している食品工場に対しては、積極的に製品の切り替えを提案し、新規需要の掘り起こしを進めていく。

同社では「FOOMA JAPAN(国際食品工業展)」に今年も出展を計画し、新製品や新技術の発表、ソリューション提案の場としての重要な役割を担っていたが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により開催が中止となった。しかしながらその代替として、FOOMA JAPAN2020の公式ウェブサイトにおいて開催されたウェブ展示会に出展。そこでは「ハイブリッドシリコーンベルト」「低収縮ベルト」などを出展した。ハイブリッドシリコーンベルトは、ベルト表面にハイブリッドシリコーンを採用しており、離型効果の持続性に優れていることから、パンや菓子生地、麺生地など粘着力の高いワークの搬送に貢献している。低収縮ベルトは、ベルト裏面に特殊な帆布を採用し、塩分や肉汁などのすり込み収縮を防止、海産物や食肉搬送で効果を発揮する。このほか鏡面ベルト、耐次亜塩素酸ナトリウムベルト、ブルーベルトなど豊富なラインアップでウェブ展示会に臨み、全国の閲覧者から大きな注目を浴びた。三ツ星ベルトの販売店・代理店向けの勉強会「きら星会」においても、今年は新型コロナウイルス感染症防止の観点から、エリアごとにウェブで開催するなど、時代と状況の変化に的確に対応しながら積極的な事業展開を進めている。