2021年1月10日

ニッタ
新春トップインタビュー

新中長期経営計画に全力
価値創造、革新に挑戦し続ける

【社長就任から一年を経て】
社長に就任してから、間もなく新型コロナウイルス感染拡大という大きな試練に見舞われた。困難な経営環境に立たされたが、過去リーマンショックに直面した際の状況を振り返って、中長期経営計画や会社運営に役立てた。良い勉強の時間が与えられたと考えている。

昨年の8月ごろ取引先に訪問したが、各社ともテレワークなどの対策を行っていた。このような新しい働き方が増える中、従来の人事評価制度を見直す必要性があるのではないか。より適正な評価がなされるようJOB型の評価制度など、今後の課題として取り組んでいきたい。

【V2020の振り返り】
現在の中長期経営計画V2020は、2017、2018年では、過去最高業績を上げ順調だったが、2019年後半から米中貿易摩擦の影響を受け、2020年はコロナで落ち込み、残念ながら計画を達成することができなかった。

この度、来期からスタートする新中長期経営計画「SHIFT2030」の発表を行ったが、その策定過程で部門間にまたがる課題や製品開発の課題を浮き彫りにし、その改善に向けてプロジェクトで取り組んでいる。

【SHIFT2030に込めた想い】
SHIFT2030は、現在のニッタの姿と、2030年度のニッタの〝あるべき姿〟のギャップをいかに埋めるかについて議論を重ねた。

そして、激しい外部環境の変化に対応し、ニッタ自らが柔軟に変化し続けることで、既存事業を強化しつつ新たな価値創造、革新に挑戦し続ける集団を目指す。そうした想いを「SHIFT」というワードに込めた。

【具体的な施策は】
当社が現在手掛けている既存事業の強化を図り、業績向上によって得られた収益分によって新規事業の探索を図る。一例を挙げるとすれば化学や新素材、ロボット(ソフトロボティックス)、バイオテクノロジー(再生医療)といった分野において今ある新事業の芽を大きく育てたいと考えている。インドネシアと中国を成長率の高い有力市場として計画に盛り込んでおり、中国においては、自動車や建設機械において、需要を伸ばしていた従来のビジネスモデルに加え、一般産業用分野でも新たな展開を模索したい。これまで市場ニーズの掘り起こしの役割を担っていたニッタイノベーションクルー、ニッタイノベーションフォーラムの仕組みの位置付けについても検討を重ね、探索型シフトの一端として一層の活躍を期待する。医療分野については、浪華ゴム工業と共同で特定のプログラムを組みながら進めている。ニッタ化工品が手掛ける鉄道車両用空気バネについてはヨーロッパのリソースを活用する方向で検討を進めている。

【今後の展望と抱負について】
グローバル社会の企業の一員として、ESG経営推進とSDGsのGoal達成に向けた取り組みは不可欠な重要施策となっており、カーボンニュートラルに向けたCO2削減にも力を注いでいる。これら計画はSHIFT2030の定性目標にも織り込んでおり、それぞれの事業部門ごとに進めていく。また当社グループでは森林資源を保有しており、継続して取り組みたい。今年の事業展開については、新中長期経営計画SHIFT2030のスタート年として、全力を尽くしていきたい。