国内タイヤメーカー 19年12月期決算出そろう
ブリヂストン
売値 Mix の改善に注力
20年からIFRS任意適用
ブリヂストン(津谷正明CEO)は2月17日、東京都港区のブリヂストングローバル研修センターにおいて決算発表会を開催した。発表によると売上高は前期比3・4%減の3兆5256億円、営業利益は同19・0%減の3260億9800万円、経常利益は同16・9%減の3168億2300万円、当期純利益は同0・3%減の2925億9800万円となった。為替による影響が大きく、為替差損で160億円の収益を落としている。設備投資額は2892億円で前期比208億円、研究開発費も1052億円で前期よりも17億円多く投じた。営業利益における増減要因は売値で330億円、原材料で40億円のプラス要因があったが、数量で230億円、償却費で270億円、販管費増で240億円、その他要因で236億円、為替差損の160億円が収益圧迫要因となった。
セグメント別ではタイヤ部門の売上高は前期比3・2%減の2兆9531億200万円、営業利益は同17・3%減の3258億7500万円、日本においては乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数が前期並みに推移した。一方、米州では北米タイヤ事業において乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数が前年同期の実績を下回ったが、欧州では乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数が伸び悩んだ。中国・アジア・大洋州では乗用車および小型トラック用タイヤならびにトラック・バス用タイヤの販売本数が前年実績を下回った。特殊タイヤについては、建設・鉱山車両用超大型・大型ラジアルタイヤの販売本数は前年並みに推移した。
多角化事業の売上高は同4・9%減の5883億200万円、営業利益は同98・2%減の1億6500万円。多角化部門では、化工品事業について「化工品」の組織名称の下で、一体となった事業活動を開始してから50年の節目となる2021年に向けて抜本的な事業再構築を推進。加えて海外の多角化事業やスポーツ・サイクル・AHL(アクティブ・アンド・ヘルシー・ライフスタイル)関連事業においても、経営改革を進めている。
同社では2020年12月期第1四半期からIFRSの任意適用に移行する。これまで日本基準で公表していた営業利益に代わり〝調整後営業利益〟を採用、調整後営業利益はIFRSに基づく営業利益から事業・工場再編費用、のれん減損損失、固定資産減損損失、災害損失、受取保険金、その他一時的で多額に発生する損益を調整した利益となる。
20年度の事業環境見通しとしてはUSD、EURともに円高を想定しており、天然ゴムは対前年水準を上回るものの、原油価格はおおむね前年同水準を見込んでいる。タイヤ需要に関してはREPは全般的に前年を上回ると見ているが、OEは北米を中心に弱含みに推移するとみている。その結果、今期の見通しとしては、売り上げ収益は前期比1・2%増の3兆5550億円、調整後営業利益は同4・7%増の3600億円、当期利益は同3・9%減の2300億円と見込んでいる。なお対前期との増減率に関しては、19年12月期のIFRS実績値の概算値であり、会計監査の結果によっては変更する可能性がある。