2020年7月25日

TOYO TIRE
路面環境に対応したスタッドレスタイヤ「オブザーブギズ2」発売

変わらない安心感

TOYO TIRE(清水隆史社長)は、乗用車用スタッドレスタイヤ「オブザーブギズ2」を新商品として8月1日から国内で発売する。

オブザーブギズ2は、ウエット性能を高めて冬道での路面変化に対応するとともに、ゴムの経年変化による氷上での摩擦力低下を抑制、アイス路面での性能が長持ちするようにも配慮した。地球温暖化の影響による気候変化への懸念がささやかれる中、気象庁の報告によると、国内の厳冬期の札幌市における日中の最高気温が、氷点下を上回る日数が増加。日中の気温上昇によって路面は、雪が解けてシャーベット状の濡れたウエット路面となり、気温が氷点下まで下がる夜間には、濡れた路面が凍結したアイス路面へと変化する。冬道を走行するために不可欠なスタッドレスタイヤに対しては、こうした刻々と変化する路面状況に対応できる性能が求められている。

オブザーブギズ2は、これら気候変動に伴う季節要因の変化を重要視し、地球温暖化時代の日本の降雪期に求められる性能を追求した。タイヤのパターン設計にあたっては、コンピューター支援技術であるCAE(コンピューター・エイデッド・エンジニアリング)と、AIを融合した同社独自のタイヤ設計基盤技術「T—MODE」のスノー予測技術を活用、最適な形状を設計した。「持続性密着ゲル」を配合した新たなコンパウンド「吸着クルミゴム」を採用し、アイス路面での吸水・密着・引っかきの効果を向上、シリカ増量により高いウエットグリップを実現した。これらの技術により、アイス路面でのブレーキング性能は同社従来品である「オブザーブガリットギズ」との比較で8%良化、ウエット路面でのブレーキング性能は制動距離を同18%短縮した。

新たにコンパウンドに採用された吸着クルミゴムは、氷の表面にできるミクロ単位の水膜を瞬時に吸水するとともに、軟らかさを保ったゴムがアイス路面へしなやかに密着。同社が20年以上培ってきた独自の技術で、鬼クルミの殻を配合したゴムが氷を引っかき、路面をしっかりとらえる。同社では、乗用車用からトラック・バス用スタッドレスタイヤに至るまで天然素材であるクルミの殻を採用。クルミの殻を配合したコンパウンドはアイスバーンでのグリップ力を確保するために氷より硬く、アスファルトより軟らかい特長を備えており、非降雪時には道路を傷つけないスタッドレスタイヤという特長を備えている。

ゴムの軟らかさを維持させる働きを持つ、新開発の持続性密着ゲルをゴムの内部に配合、年月が経つとともにゴムが硬くなることを抑え、優れたアイス性能をより長く保つ。シリカを増量して配合したゴムを採用することで、タイヤが低温な状態でも柔軟に接地し、濡れた路面をしっかりとらえ、高いウエットグリップを実現した。

パターン設計については、T—MODEによるスノー予測技術を活用。実際の使用環境における雪質を考慮した最適なパターン形状を設計した。アイス性能をはじめとしたスタッドレスタイヤに求められる性能を発揮するために、トレッドパターン内で機能を分担させる非対称パターンを採用。「3本主溝非対称新パターン」により接地性が高められるとともに、操縦安定性を向上。縦方向に3本の主溝と幅方向に大きな横溝を多数配置したことで、アイス路面やスノー路面でのトラクションに効果を発揮する。「バットレスエッジ」がわだちのできた路面において優れたエッジ効果を引き出す。サイプの内側に空洞を設け、ブロック全体が均一に接地する「吸着3Dサイプ」も採用。サイプの閉じ込みを抑えることで吸水力を高め、ブレーキング時に高いエッジ効果を発揮する。ジグザグのスリット形状を備えた「バイティングエッジ」がカーブを曲がる際にグリップ力を発揮。2つの大型ブロックを噛み合わせるように配置した「コンビネーションブロック」によってブロック同士が支え合い、ブレーキングの際やカープを曲がる際に優れた性能を発揮する。

発売タイヤサイズは13インチの155/65R13 73Q〜18インチの245/50R18 100Qの全23サイズで、価格はオープン価格。