アシックス
日本企業初「ファッション協定」に加盟
ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組み
アシックス(廣田康人社長)は、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組みである「THE FASHION PACT(ファッション協定)」に日本企業として初めて加盟した。同協定は、昨年8月にフランス・ビアリッツで開催されたG7サミットで欧州を中心とするファッションおよびテキスタイル業界の32社が気候変動、生物多様性および海洋保護の3分野で共通の具体的な目標に向かって取り組むことを誓約したもの。現在までに60社200以上のブランドが加盟している。
同社は気候変動問題に積極的に取り組んでおり、昨年には、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指し、産業革命前からの気温上昇を1・5度未満に抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を設定することを表明。現在は30年に向けた温室効果ガス排出量削減目標を設定しており、事業所におけるCO2排出量を15年比で38%削減、サプライチェーンでのCO2排出量を製品当たり同55%削減することを目指している。
また生物多様性や海洋保護分野においては、25年までにアパレル・アクセサリーのコットンを100%サステナブルなコットン調達へ切り替えを行っているほか、全世界の直営店を対象に、今年末までにプラスチック製から環境配慮型紙製のショッピングバッグへ順次切り替えを行うなど、バリューチェーン全体を通して使い捨てプラスチックの使用を廃止し、環境配慮素材へ順次切り替えを行っている。
同社の廣田社長は「将来世代にわたり、多くの人々が心身ともに健康的になる世界を実現させるためには、持続可能な地球環境が不可欠であると考えている。ファッション業界における環境負荷低減をさらに加速させるために、『THE FASHION PACT』加盟企業と連携し、業界一体となった取り組みを推し進めていく。当社は環境問題の解決に向け、ステークホルダーとの連携によるバリューチェーン全体での取り組みに力を入れており、これまでにも国連気候変動枠組み条約のファッション業界気候行動憲章、持続可能なアパレル産業構築を目指す世界的連合・サステナブル・アパレル・コアリション等、さまざまな国際的枠組みに加盟し、ファッション産業の環境負荷低減に努めてきた。気候変動など環境分野の情報収集等に取り組む国際NPOのCDPから、温室効果ガス排出削減活動や気候変動緩和に向け優れた活動を行っている企業として今月8日付けで、気候変動においてAマイナスの評価を初めて受けた。Aマイナスの評価は、世界のスポーツメーカーで最高位となる。今後も引き続き、事業のあらゆる場面でサステナビリティに配慮した取り組みを推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく」とコメントしている。