積水化成品工業
ビーズ法ポリスチレン発泡体上市
発泡倍率100倍を実現
積水化成品工業(柏原正人社長)は、省資源化に貢献する発泡倍率100倍のビーズ法ポリスチレン発泡体を上市した。
ビーズ法ポリスチレン発泡体は、優れた断熱性・軽量性・緩衝性、加工の容易性などから、魚箱や農産箱・建築資材・土木資材として幅広い範囲で使用。従来品は、発泡倍率90倍程度が限界であり、100倍を超える発泡体の実現は、原材料の削減や軽量化による省エネルギー効果が見込める一方で、発泡助剤の添加量が増え、発泡工程を複数回行う必要が生じるなどといった環境への負荷上昇に通じる課題があった。
今回、開発した発泡倍率100倍のビーズ法ポリスチレン発泡体は、改正食品衛生法に準拠しながら、従来の課題を解決。昨年6月に施行された改正食品衛生法は、プラスチック製の器具・容器包装の安全性をさらに高めるため、18年6月13日に食品衛生法の一部が改正された後、20年6月には現在のネガティブリストに加えてポジティブリストが導入され、規制対象物質がおおよそ30から1000物質以上に拡大され、安全対策が大幅に強化されている。
新製品は、総体積の99%が空気で、残り1%がポリスチレン樹脂で構成。省資源素材であり、構造材や緩衝材として使用される90倍発泡の当社従来品と比較し、10%の軽量化を実現している。独自のポリマー重合技術と発泡技術を深化させ、通常の製造工程での生産を可能としたことで、プラスチック使用量を削減するとともに、環境への負荷も低減した。
高発泡ビーズ法ポリスチレン発泡体の用途例としては断熱材の他、食品用、家電、IT用緩衝材、海上や貯水池で使用されるフロート、かさ上げ材(ボイド)などがある。
100倍発泡体を製造する原料「エスレンビーズHCMH」は、すでに販売を開始しており、浮力と剛性に優れた大型の発泡ブロックを生産できることから、現在、水上ソーラーの浮力材として採用されている。原材料の省資源化によって、環境負荷低減を実現しているほか、水上ソーラーの訴求を通じて、再生可能エネルギーである太陽光発電の推進にも寄与している。
今後は、食品用途をはじめとする幅広い分野での展開を目指し、サスティナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の普及を通じて、持続可能社会への貢献に努める。