2021年6月5日

〈2021年3月期決算説明会〉日精樹脂工業
新子会社が業績貢献

営業利益も前期を上回る

日精樹脂工業(依田穂積社長)は28日、Zoomウェビナーを通じて「決算説明会」を開催した。詳細説明については依田社長自ら行い、質疑応答にも応じた。それによると売上高は前期比7・2%増の416億400万円、営業利益は同4・1%増の11億4500万円、経常利益は同5・3%減の10億7000万円、当期純利益は同7・1%減の5億9800万円となった。売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う厳しい受注状況が続いたものの「イタリアのネグリ・ボッシグループによる売り上げの寄与や、射出成形機の需要が緩やかに回復し始めたことなどから売上高を伸ばし、主力の射出成形機の需要についても緩やかに回復したことから営業利益についても前期実績を上回ることができた」(依田社長)。営業利益(製品別)では、販管費の19億3700万円のマイナスに加え、周辺機器、金型等による1億3400万円の収益圧迫要因があったものの、成形機の売り上げがネグリ・ボッシ社を連結子会社にしたことによる効果として19億1600万円のプラス、部品の売り上げも1億9900万円伸ばしたことで、営業利益は前年実績を上回った。

配当金については、期末配当金1株当たり10円から15円に変更しており、年間配当金は昨年と同じ1株当たり20円を予定している。

地域セグメント別では、日本の売上高は前期比34・9%減の141億2800万円、セグメント損失は1億1300万円(前期は8億1200万円の利益)。自動車関連などの需要が鈍化した市況による影響を受けた。

欧米地域の売上高は同131・6%増の164億2300万円、セグメント利益は同94・2%増の3億5800万円。ネグリ・ボッシグループの子会社化、加えて医療関係を中心に需要が堅調に推移したことなどにより大きく伸長した。

アジア地域の売上高は同10・5%増の110億5200万円、セグメント利益は同20・6%増の5億900万円。IT関連を中心に、需要が堅調に推移したことが2ケタの増収増益を呼び込んだ。

製品別では、主力である射出成形機については、売上高は同11・7%増の313億7700万円。部品の売上高は同12・8%増の60億3500万円と増加。周辺機器については同28・4%減の17億7400万円、金型等の売上高は同16・1%減の24億1700万円と伸び悩んだ。

今期については、売上高を前期比4・8%増の436億円、営業利益は同109・5%増の24億円、経常利益は同212・8%増の33億5000万円、当期純利益は同309・1%増の24億5000万円を予想している。