2022年2月25日

2021年12月期決算発表
TOYO TIRE

当期利益は過去最高
今期は売上高も過去最高に

TOYO TIRE(清水隆史社長)が2月15日に発表した決算の売上高は前期比14・5%増の3936億4700万円、営業利益は同46・1%増の530億8000万円、経常利益は同81・0%増の559億900万円、当期純利益は同254・0%増の413億5000万円となり、売り上げならびにすべての利益項目で計画を上回る成果を引き出し、特に当期純利益は過去最高を更新した。同社では「国内で唯一、TIREという製品領域を社名に取り入れているが、タイヤの売り上げも過去最高を更新しており、今期は売上高も過去最高に持っていきたい」(清水社長)としている。営業利益における増減要因としては、原材料高騰によって190億円、海上運賃の高騰により103億円のマイナス環境に見舞われ、販売増に伴って生じる販管費の42億円増が利益に圧迫をかけたものの、販売要因によって361億円という大きな利益を上げ、製造コストの削減で89億円、為替差益として52億円の増益要因が生じたことで利益面が飛躍的に伸びた。タイヤ事業だけで、利益を167億円押し上げた。

事業別では、タイヤ事業の売上高は前期比15・7%増の3546億4100万円と、前期よりも480億3200万円積み増した。営業利益は同43・7%増の550億8900万円で、前期に対して167億4600万円の利益を上乗せした。北米市場における市販用タイヤについては、同社が強みとしている大口径ライトトラック用タイヤやSUV用タイヤを中心に全カテゴリーの販売が好調に推移、値上げや重点商品の拡販による商品ミックスの改善により、売上高は販売量以上に前期を大きく上回った。北米では数度にわたって値上げを実施してきたが、プレミアム感を備えた商品として認識されているだけに、市場全体で受け入れられており、売り上げを伸ばし続けている。欧州市場における市販用タイヤについては、採算性を意識した供給戦略の継続等によって販売量は前期を下回ったものの、需要が回復傾向にあり、値上げや商品ミックス改善などの施策によって売上高は前期を上回った。国内市場における市販用タイヤについては、前期より需要は回復傾向。冬タイヤの重点商品や同社が強みとしているSUV用タイヤの販売に力を注いだことにより、販売量、売上高ともに前期を上回った。新車用タイヤについては、半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、販売量は前期に対して増加。しかしながら車種ミックスや市場ミックスの影響を受けて、売上高は前期並みとなった。

自動車部品事業の売上高は同5・0%増の389億7900万円、営業損失は20億800万円(前期は20億2000万円の損失)となった。半導体不足による自動車メーカーの減産の影響を受けたものの、車種ミックスの改善が進み、損失額が改善された。

今期については売上高を前期比15・6%増の4550億円、営業利益を同16・2%減の445億円、経常利益を同20・2%減の446億円、当期純利益を同28・4%減の296億円を見込んでいる。