日本ゼオン
ＱｕｎａＳｙｓと業務提携

日本ゼオン（田中公章社長）は、量子コンピュータ用ソフトウエア開発を手掛けるＱｕｎａＳｙｓ（本社・東京都文京区、代表者・楊天任氏、以下、キュナシス社）と業務提携契約を締結した。同時に資本連携を目的に株式投資契約を締結し、第三者割当増資を引き受け、キュナシス社に出資する。これらの提携を通じて日本ゼオンでは、機械学習・自動実験・量子コンピュータなどといった先進技術を、いち早く材料開発に役立てることができる先進的なデータマネジメントプラットフォームを構築、既存・新規事業の研究開発を加速化していく。加えて化学業界にとって、これまでにないビジネスモデルを築いていく。

量子コンピュータは、既存のコンピュータとは異なる原理で動作し、現在スーパーコンピュータでは解決できない複雑な問題を、高速に解決できる可能性がある。特に材料シミュレーションにおいては、最も早く実益がもたらされる可能性が高いと言われており、高精度な電子状態計算が求められる光反応性材料や、触媒材料設計などへの応用が期待されている。その量子コンピュータのもたらす価値を最大限に享受するためには、実験データや計算データを適切な形で蓄積した上で、機械学習などの高度な解析手法を適用し、材料設計に対して高速なフィードバックを可能とするような、先進的なデータマネジメントプラットフォームの構築が不可欠となる。

今回の資本業務提携は、日本ゼオンが保有する材料開発の基盤や知見と、キュナシス社が得意とする先進デジタル技術の知見を融合することによって、カーボンニュートラルなどといった大潮流から生まれる新たな材料ニーズにこたえ、社会課題解決を目指す。将来的には、両社が共同で創出したデータマネジメントプラットフォームの外販や、知的財産の活用にも取り組む予定。

日本ゼオンは、これからも独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、〝持続可能な地球〟と〝安心で快適な人々の暮らし〟に貢献するためにも自社内にとどまることなく、研究開発の効率向上およびビジネスモデル変革をけん引し、化学業界のさらなる発展に貢献していく。

【キュナシス社概要】
▽住所=東京都文京区白山１―１３―７　アクア白山ビル９Ｆ
▽事業内容=量子コンピュータ用ソフトウエア開発、量子技術関連コンサルティング
▽ＵＲＬ=https://qunasys.com/