住友ゴム工業
「新中期計画」を発表

タイヤ事業において北米で稼ぐ体質に変革する取り組みとして、順調な販売を背景に、生産体制の抜本的改善を進めながら、関税・海上運賃などのリスク低減に向け、地産地消比率を引き上げる。選択と集中により事業ポートフォリオを最適化し、構造改革事業からキャッシュをねん出。成長事業・収益事業へ投資と人材のリソース・シフトを実現し、損益分岐点比率を引き下げることで利益基盤を強固にする。

成長事業の基盤強化に向けては、ＩＴリテラシー教育と効率的な業務設計による再成長に向けたリソース・シフトを実行。ＩＴリテラシー教育においては２５年までにスタッフ３５００人にデジタル人材教育を実施し、同時に効率的な業務設計によるリソースの創出を図る。

中期計画の課題解決を強力に推進する目的としては、役員を中核とする「変革プロジェクト」を立ち上げ、２５年までに完遂する。同プロジェクトでは全社事業ガバナンスの改革・事業ポートフォリオの変革に加え、買収拠点の抜本的見直し、次世代タイヤ開発、製販技一体最適化、人材・組織変革（ＤＸ活用・リスキリング）、新規・集中領域拡大・基盤強化プロジェクトに取り組んでいく。

またタイヤ事業でのスマートタイヤコンセプトに関しては、企画開発体制を拡充、最新デジタル技術を活用することでスマートタイヤコンセプトの技術をさらに進化させた新商品を投入する。センシングコア・ソリューションによって将来のＣＡＳＥの進展、サステナブルな社会に対応することで最高の安心・ヨロコビを提供する。アクティブトレッド技術を搭載したオールシーズンタイヤ、次世代ＥＶタイヤと独自技術の組み合わせにより、将来のモビリティ社会に貢献。センシングコアの事業化を推進し、センシングコアの機能を拡張していくことで、ＣＡＳＥ＋サステナブルな社会に貢献する。

思い描く将来の姿としては、タイヤの進化とデータビジネスの拡大（センシングコアの進化、ソリューションサービス）により、ＣＡＳＥ＋サステナブルな社会への対応を強化する。既存ビジネスにおいてはデジタルを活用し、現状のビジネスの効率性・収益性を高める。データビジネスの拡大によって既存ビジネスの進化を図り、Ｐｕｒｐｏｓ〝未来をひらくイノベーションで最高の安心とヨロコビをつくる〟という将来の姿を、より高い次元で実現を目指していく。

サステナビリティ長期方針については、同社としてはＥＳＧ経営を推進し、事業を通じて環境問題や社会課題の解決に貢献、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。気候変動の影響拡大を背景に、カーボンニュートラルへの急激なシフトが進むなど、社会問題が大きく変化する中、Ｏｕｒ　Ｐｈｉｌｏｓｏｐｈｙを体現。社会と同社が持続的成長を遂げていくために、２１年に策定したサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ２０５０」において、社会問題解決に貢献するための目標テーマとして設定した〝環境〟〝社会〟〝ガバナンス〟の各施策を着実に推進していく。

財務目標としては、２５年計画について、売上収益１兆円は達成、事業利益１０００億円、ＲＯＥ１０％、Ｄ／Ｅ　Ｒａｔｉｏ０・５の２６年以降の達成を見込んでいる。