2023年3月30日

横浜ゴム
耐熱性コンベヤベルト2種発売

焼結鉱やコークスを安全に運搬

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、中温耐熱性と難燃性を兼ね備えた難燃中温耐熱性コンベヤベルト「FLAME GUARD#2110(フレイムガード・ニセンヒャクトオバン)」を発売した。耐熱性と難燃性を両立した難燃耐熱性ベルトとしては、2021年に発売した難燃高温耐熱性ベルト「FLAME GUARD Super100(フレイムガード・スーパーヒャク)」に続き、第2弾商品となる。

近年、焼結鉱やコークス、焼結成品などといった高中温の物質を運搬するコンベヤベルトにおいて、熱によるベルトの劣化を防ぐ耐熱性に加え、安全性をより一段と高める目的から、ベルトの燃焼を防ぐ難燃性(自己消火性)を備えた商品に対するニーズが上昇。同社ではこうしたニーズにこたえる目的から、さまざまな耐熱性ベルトや難燃性ベルトを生み出してきたゴム配合技術を駆使し、中温域において両性能を併せ持つフレイムガード#2110を開発した。

新製品は、国内外で中温耐熱性が高く評価されている耐熱性コンベヤベルト「HAMAHEAT#2110(ハマヒート・ニセンヒャクトオバン)」をベースに開発。耐熱性能は同様の運搬物温度70~200度(塊状70~200度、粉状70~150度)、許容ベルト表面温度60~100度を確保しながら、日本産業規格のJIS K6324:2013難燃性コンベヤゴムベルト3級の難燃性を実現している。

また同社は、耐熱性コンベヤベルトとして好評を博している「HAMAHEAT(ハマヒート)」シリーズから、高温耐熱性コンベヤベルト「HAMAHEAT Super80(ハマヒート・スーパーハチジュウ)」を発売した。

高温耐熱性ベルトの主要業種は鉄鋼やセメントであり、焼結鉱やコークス、焼結成品、クリンカーなどの高温や中温の物質を運搬する用途で使用される。搬送物の温度や環境温度などの使用条件によりベルト表面の温度は上昇し、ベルトが劣化することで寿命が短くなることから、以前より熱によるベルトの劣化を防ぐ商品が求められていた。同社ではこうしたニーズにこたえる目的から、さまざまな耐熱性ベルトを生み出してきたゴム配合技術を駆使し、ハマヒートシリーズを開発している。

ハマヒート・スーパー80は、高温耐熱性が非常に高く評価されているハマヒートシリーズのハイグレード商品「HAMAHEAT Super100(ハマヒート・スーパーヒャク)」をベースに、より使用条件に合わせて性能を最適化し、コストパフォーマンスに優れた商品の提供を目指したミドルグレード商品として開発された。耐熱老化特性および耐摩耗性能に優れ、許容ベルト表面温度180度までの高温搬送物、特にセメントのクリンカー搬送用途に最適なコンベヤベルトとなっている。許容ベルト表面温度は60~180度、耐摩耗性能は熱による老化後の耐摩耗性能に優れている。耐クラック性能については、熱による老化後の耐クラック性能に優れた性能を発揮する。

横浜ゴムでは2021~23年度までの中期経営計画「Yokohama Transformation2023(YX2023)」に取り組んでおり、MB事業では強みであるホース配管事業と工業資材事業にリソースを集中、MB事業の成長をけん引し、安定収益を確保できる構造を目指している。その施策の一つとして工業資材事業では、得意市場であるコンベヤベルト市場における圧倒的なプレゼンスの確立を掲げている。