東レ
欧州でリサイクルプロセス確立
ガラス繊維強化PPS樹脂
CFP45%削減可能
東レ(日覺昭廣社長)は、欧州における樹脂製品のマーケティングおよび販売会社であるToray Resins Europe、ロバート・エンゲル社長、以下、TREU)において、射出成形工程から廃出されるガラス繊維強化PPS樹脂のリサイクルプロセスを確立した。今回のプロセスは、東レのコンパウンド技術を前提に委託加工パートナーであるドイツの高機能樹脂製品リサイクル・コンパウンド会社MKV Kunststoffgranulateとの協力の成果でもある。
今回のプロセスを適用したリサイクル率50%のガラス繊維強化PPS樹脂は、ヴァージン原料を用いた射出グレードと比較して90%以上の機械強度を保持。カーボンフットプリント(以下、CFP)を約45%削減できる。CFPは、欧州合成樹脂のリーディング試験機関であるドイツのSKZ―Das Kunststoff―Zentrumが製品のライフサイクルアセスメントに関する規格であるISO14040/14044およびCFPに関する規格であるISO14067に基づき算出し、検証された。
ガラス繊維強化PPS樹脂は、難燃性、長期耐久性、耐薬品性に優れた特徴から、EVを含む自動車、電機・電子、水廻り部品などといった産業用途全般などに幅広く使用。近年は、世界的な環境意識の高まりからリサイクルへのニーズが急速に拡大しているが、従来のリサイクルでは、成形加工が繰り返されることによってガラス繊維の長さが短く折損、機械強度の大幅な低下が生じることから、リサイクル比率を低く抑える必要があった。
今後、欧州の顧客向けを中心にサンプルワークを展開し、リサイクル素材・製品の全社統合ブランドである「Ecouse(エコユース)」シリーズの「Ecouse TORELINA)エコユース トレリナ)」として、販売する計画。
【TREUの概要】
▽本社所在地=ドイツ連邦共和国ヘッセン州オッフェンバッハ郡ノイ・イーゼンブルク市
▽事業内容=東レ樹脂材料の欧州市場マーケティングおよび販売
▽設立=15年4月
▽資本金=200万ユーロ