2024年2月20日

【2023年12月期決算】
住友ゴム工業

タイヤ事業過去最高
1兆円超えは創業以来初

住友ゴム工業(山本悟社長)の売上収益は前期比7・2%増の1兆1773億9900万円、事業利益は同253・6%増の776億7000万円、営業利益は同330・3%増の644億9000万円、当期利益は同293・5%増の370億4800万円となった。事業利益率6・6%と急回復したことで、事業利益が下期過去最高の606億円を達成、タイヤ事業の売り上げは創業以来初の1兆円超えを達成した。「XXIO(ゼクシオ)13」の好調な滑り出しにより、スポーツ事業の利益が過去最高となる125億円を達成、フリー・キャッシュ・フローは初の1000億円超えとなった。すべての項目において対前期で改善、特に事業利益、営業利益、当期利益は大幅な増益となった。

セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前期比7・1%増の1兆63億8100万円、事業利益は同416・4%増の635億7200万円。国内新車用タイヤは、世界的な半導体不足などによる自動車メーカーの生産制約が下期以降徐々に解消、前期より大きく増販することができた。国内市販用タイヤは、冬タイヤの7月からの値上げの影響や暖冬で出荷が低調だったこともあり、前期から微減となったものの、海外新車用タイヤについては、中国やインドネシアでは減少となった一方、欧米では増販、全体ではほぼ前期並みとなった。海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域において、中国での販売は新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ前期を上回ったものの、市況低迷の影響を受け低水準に推移。インドネシア・アセアンにおいては市況悪化傾向が続いたことから販売が前期を下回った。米州地域においては、北米では低採算品の販売を計画的に抑制、前期を下回ったが、主力のファルケンブランドにおいては市場で好評を得ているワイルドピークシリーズの販売が好調で前期を上回った。南米においては海上運賃下落などを背景にマーケットに輸入品が増加、同社では、ほぼ計画通りの販売を行うことができたことで、前期並みとなった。欧州地域においては長引くインフレにより消費者の購買力が低下、タイヤ交換率も低調に推移した。タイヤ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となった。

スポーツ事業の売上収益は同8・6%増の1266億4700万円、事業利益は同39・6%増の124億8200万円。ゴルフ用品は、契約選手活躍の効果もあって北米・韓国などを中心に順調に販売が伸長、23年12月に発売した13代目XXIOクラブが好調な滑り出しとなったことで、売上収益は前期を上回った。XXIO13のスタートダッシュ効果が大きく、プラス24億円の積み上げ効果が得られことから、全体で予想値に対する上振れとなった。テニス用品は物価高騰の影響などもあって販売数量は減少、海外での販売にかかる円安の影響もあり、売上収益は前期並みとなった。ウェルネス事業では、値上げ効果や新規総合店の開店もあり、売上収益は前期を上回った。

産業品他事業産業品事業の売上収益は同5・3%増の443億7100万円、事業利益は同135・8%増の16億300万円となった。医療用ゴム製品事業の販売は国内外ともに堅調に推移、インフラ事業も増収となったが、OA機器用ゴム部品事業は顧客の生産調整の影響で減収、生活用品事業も市況悪化による買い控えなどにより、需要低迷で減収となった。

今期については、売上収益を前期比1・9%増の1兆2000億円、事業利益を同3・0%増の800億円、営業利益を同5・4%減の610億円、当期利益を同0・1%減の370億円と見込んでいる。