2020年1月15日

ダイセル
パイクリスタルを子会社化

パイクリスタルを子会社化
AI/IoT化対応

ダイセル(小河義美社長)は、有機半導体デバイスの開発、製造、販売を手掛けるパイクリスタル(本社・千葉県柏市、伊藤陽介代表取締役)の発行する株式を取得し、子会社化した。今後のAI/IoTの急速な成長に対応すべく、ダイセルの材料開発力・生産技術とパイクリスタルの最先端技術を融合し、有機半導体デバイス(集積回路、センサー)の量産体制を速やかに整え、事業化を加速させる。さらに、本事業をプラットフォーム化し、センシングビジネスへ事業領域を拡大する。

ダイセルは印刷技術を用いて電子回路やデバイスを形成する「プリンテッド・エレクトロニス」を注力分野の一つと定め、銀ナノインクや積層セラミックコンデンサ(MLCC)用溶剤、有機半導体インクなどを開発し、各社とも協業しながら事業拡大を図ってきた。

パイクリスタルは、世界でも最先端の技術を有し、2013年に設立された東京大学発のベンチャー企業。高い安定性と性能を持つ有機半導体単結晶の成膜技術を独自開発し、この技術を核として、フィルム状でフレキシブルかつ薄型の有機半導体デバイスの開発・製造・販売を行っている。また、実用レベルの有機半導体CMOS回路の作成に初めて成功し、アクティブマトリックス駆動用のTFT回路、センサー付きRFIDタグも開発した。

両社はパイクリスタル設立の13年以来、ダイセルが開発した材料や製品を、パイクリスタルの有機半導体デバイスに活用するための共同開発を進めてきた。18年6月にはダイセルはパイクリスタルへ出資を行い、さらに協業関係を深めるとともに、有機半導体デバイスの量産に関しても共同で検討している。

今後両社は、有機半導体デバイスの開発・マーケティング活動を加速し、新たなソリューションを提案していく。