2020年1月25日

三菱ケミカル
独・c-m-p買収

炭素繊維複合材料を強化

三菱ケミカル(和賀昌之社長)は、炭素繊維複合材料事業の強化に向けて、ドイツの炭素繊維プリプレグメーカーであるcーmーpを、スイスのグループ会社であるミツビシ・ケミカル・アドバンスド・マテリアルズ(マイケル・コッホCEO)を通して買収することを決定した。この買収は、来月をめどに完了する予定。

c-m-pは、UD・織物プリプレグに関して優れた製造技術を備えており、航空機・自動車用途を中心とした多岐にわたる分野においてソリューションを提供。今回の買収により、三菱ケミカルはプリプレグの生産に関して欧米日の世界三極体制を確立し、特にモビリティ分野で先端材料の採用が先行する欧州において、イタリア・モデナでのSMC(シート・モールディング・コンパウンド)製造設備増設に加えて炭素繊維複合材料の生産体制の強化を進めていく。SMC製造設備は、三菱ケミカルが44%を出資しているc-m-pの隣接地に増設される。

三菱ケミカルは、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)の実現に向けた炭素繊維複合材料への期待を鑑み、三菱ケミカルグループの総合力を活用しながら、ユーザーへのソリューション提案力を強化し、KAITEKI実現を目指す。

c-m-pの概要は次の通り(2019年3月時点)。
▽所在地=ドイツ・ハインスベルク▽株主=ダウアクサ・50%、他個人株主・3人▽事業内容=炭素繊維プリプレグの製造、販売▽売上高=1330万ユーロ