2020年3月25日

日本ベルト工業会
19年度のベルト需要動向を発表

ゴムベルトは前年比2%の減少

日本ベルト工業会(浜谷孝行理事長)は、2019年1〜12月のゴム・樹脂ベルトの需要先販売実績、輸出入状況を取りまとめ、ベルト業界の産業別の需要動向について明らかにした。需要実績はゴムベルトが前年比2%減で、樹脂ベルトが前年水準並み。ゴムベルトの輸出率は全体の約3分の1を占めているが、樹脂ベルトの需要はほぼ内需で賄われている。ゴムベルトは景気に沸く米国のほか中国、台湾の需要が大きく、全体の数字を先導しているが今後の世界情勢を見通すと、危うさもうかがえる。その一方、樹脂ベルトは国内の食品と物流が先導しており、その分野が衰える気配もないことから、常に安定した需要が見込まれるだろう。

ゴムベルトの国内需要は72・2%で前年比107%。その一方で輸出は27・8%で同81%となった。資源生産国向けや、海外現地の投資の冷え込みが数値に反映されたと見られ、用途が不確定のその他の30・7%を除くと、国内の主要需要先は鉄鋼メーカーで高炉メーカーが全体の24・9%を占めており、同105%に膨らんだ。全体の3・2%を占めるセメント向けは分母が小さいものの同131%と急成長している。2・9%の電力・ガスも128%、その一方で全体の1・7%を占める石灰は同74%と需要がシュリンクしている。

一方、樹脂ベルトは需要の96・3%が国内需要でその大半を国内で消費している。ボリュームも同99%でほぼ変化はなし。わずか3・7%の輸出は同91%とさらに減少した。項目別では全体の23・1%を占める食品は同97%、11・1%を占める食品機械が95%といずれも本流の流れを遮りながらも需要はほぼ想定内。全体の5・1%を占める物流、同様に16・3%を占める物流機械がそれぞれ107%、101%と前年を上回った。全体の4・6%を占める精密機器は95%、3・9%の鉄鋼・非鉄が115%、5・5%を占める繊維が89%、全体の6・3%を占める紙工は前年水準を維持した。

ゴムベルトの輸出先は米国がトップで同3%減の70億4067万3000円(全体の19・2%)、次いで中国で同13%減の44億3368万3000円(同12・1%)、3位は香港で同10%減の24億6616万2000円(同6・7%)。品種別ではコンベヤベルトの輸出先ベストスリーはチリ、アメリカ、ペルー。伝動ベルトがアメリカ、中国、香港、Vベルトがアメリカ、台湾、アラブ首長国連邦。歯付ベルトが中国、アメリカ、香港。

輸出相手国は日系企業をはじめ、ハイエンドな品質を求めるが、輸入品に関しては、その多くはクオリティーを問わないローエンドのベルトと見られている。輸入相手国のトップは中国で同9%増の37億3252万4000円(同43・4%)、次いでインドネシアで同6%減の13億9974万9000円(同16・3%)、3位がタイで同12%減の8億2373万7000円(同9・6%)となっており、この上位3カ国で全体の69・3%を占めている。