2020年4月15日

日本グローブ工業会
2019年度の国内手袋販売数量実績

極薄が衛生面の意識向上で大幅増

日本グローブ工業会(望戸清彦理事長)は、2019年度の家庭用手袋、作業用手袋および医療用手袋の国内販売数量実績を取りまとめて発表した。

用途別でみると、家庭用手袋の合計は前年比3・7%減の8974万9000双で、品種別ではビニールが同4・1%減の5102万9000双、ゴムが同4・8%減の2861万3000双、ニトリルが同2・4%増の1010万7000双となり、ニトリルのみが前年実績を上回った。素材別構成比は、ビニール57%、ゴム32%、ニトリル11%となり、例年通りの実績で構成比の少ないニトリル以外のダウンが全体の実績を押し下げた。

一般用極薄手袋(医療用を除く)の合計は同10・2%増の52億6959万1000枚でさらに大きく伸びた。ユーザーの衛生面の意識向上と使用上の手軽さが受け入れられ、調理・清掃・介護などといったさまざまな場面で〝手袋装着〟が定着してきている。ただし、単価が低いことから、売り上げ全体の金額への貢献度は少ない。材質別ではビニールが同15・7%増の18億7931万8000双、ゴム製が同6・6%増の4億9817万7000双、ニトリル製が同7・4%増の18億2288万5000双、ポリエチレン製が同7・6%増の10億6921万1000双となり、すべての項目でプラスとなった。

作業用手袋の合計では同1・7%減の1億2998万2000双となり、前年比微減。製造現場・建築現場等の景気もひと段落ついたことから、純粋な作業用途では同9・7%減の1887万7000双と前年実績を割り込み、防寒タイプについても暖冬の影響が大きく同12・9%減の177万9000双と2ケタの落ち込みとなった。

医療用については、手術用手袋は同2・9%増の8022万7000双と上昇。医療現場で安全重視のためのダブルグローブ(二重装着)による効果も寄与した。またパウダー手袋は天然ゴム、合成ゴム製ともに〝完全ゼロ〟となった。これは16年12月に厚生労働省より通知された「2018年末以降は医療用手袋のパウダー手袋の販売禁止」を受けたもので、業界を挙げて遵守し、徹底に取り組んだ結果が表れている。手術用手袋のラテックスアレルギー対策も前進し、ラテックスフリー(非天然ゴム)が前年の33・6%から38・0%に伸びている。このほか、医療用では歯科用手袋(ペアタイプ)が同32・1%減の12万7800双、検診用手袋が同2・4%減の5億7070万1000双となっている。