2020年5月10日

ミシュラン
スウェーデンの新興企業と提携

熱分解テクノロジーの事業化で

ミシュラン(フロラン・メネゴーCEO)は、使用済みタイヤをリサイクルする熱分解テクノロジーの大規模な開発・事業化を目指してスウェーデンのエンバイロとの提携を進めていることを明らかにした。

2001年設立の社員20名から成るスウェーデンの新興企業・エンバイロは、熱分解プロセスにおいてエネルギー消費を最小限に抑えながら、素材の化学的組成および物理的状態を変化させるテクノロジーを開発した。このテクノロジーは有機化合物を急激に加熱することで、化学的に分解する手法が採られている。この手法により、対象の有機化合物にはもともと含まれていない新たな生成物を抽出することが可能となる。この最先端の革新的なテクノロジーを利用して再生カーボンブラック、熱分解油、鋼鉄など、他の産業分野の生産工程で再利用することができる生成物の生産が可能となる。

タイヤ産業とその顧客にとって、リサイクルは大きな課題となっており、毎年、約10億本ものタイヤがその役割を終えている。今回開発されるリサイクルテクノロジーによって、現在は廃棄物として処分されているタイヤも良質の原材料としてリサイクルできるようになるとされている。

ミシュランとエンバイロの提携は▽エンバイロの熱分解テクノロジーを大規模に展開するための開発契約の締結▽エンバイロ株式の20%、すなわち1億1616万5223株を取得するため、ミシュランは総額3252万6262㌛(約300万ユーロ)を出資し、筆頭株主となる。ミシュランはエンバイロを支援するため、同社の取締役となる人員を派遣する予定で、株主総会に提案。4月15日に株式引受手続きに署名を行っている▽当テクノロジーの事業化を進めるための工場建設共同プロジェクトを発足させるが、工場の立地は検討中▽ミシュランとエンバイロ間の相互供与契約の締結の手順で進められる。

この提携によって両社は相互に補完し合うノウハウを持ち寄り、タイヤのリサイクルを加速させる。ミシュランは自社の事業ノウハウを工場建設プロジェクトや研究開発・製造に生かし、エンバイロは特許権を取得している熱分解テクノロジーを提供することにより、高品質の製品を生み出していく。

なお現在の状況として、今年の半ばまでの最終的な合意に向けて両社の話し合いが進んでいる。