ブリヂストン
2020年12月期第1四半期決算
グローバル市場苦戦
為替、コロナの影響しのげず
ブリヂストン(石橋秀一CEO)の売上高は前年同期比11・3%減の7522億3400万円、調整後営業利益は同39・3%減の498億2000万円、営業利益は同48・8%減の4276億3000万円、四半期利益は同65・1%減の194億7400万円となった。事業を取り巻く環境としては、天然ゴム、原油価格ともに前期を下回ったものの、為替損が発生。新型コロナウイルス感染症の影響によりグローバル規模でタイヤの需要が減少した。
調整後営業利益における増減要因は、原材料の下落で80億円、売値において70億円、営業費で50億円のプラス要因があったものの、数量による290億円、償却費増で20億円、為替差損(ドルで26億円、ユーロで8億円)、その他要因による192億円が大きく収益を圧迫した。タイヤ販売(本数ベース)では新車用タイヤが同15%減、トラック・バス(TB)用が同13%減、オフロード(OR)の超大型が同8%減、大型が同21%減。エリア別では、日本での売上収益が同9%減の1949億円、調整後営業利益が同43%減の140億円。タイヤ販売(本数)では乗用車の新車用が同6%減、補修用が同12%減。TBの新車用が同1%増、補修用が10%減。米州での売上収益は同9%減の3630億円、調整後営業利益が同22%減の302億円。北米のタイヤ販売では乗用車の新車用が同19%減、補修用が同11%減。TBの新車用が同26%減、補修用が同2%増。欧州(ロシア・中近東・インド・アフリカ)の売上収益は、同9%減の1426億円、調整後営業損益が12億円の損失。タイヤ販売では乗用車の新車用が同8%減、補修用が同14%減。TBの新車用が同23%減、補修用が同6%減。中国・アジア・大洋州の売上収益は同25%減の899億円。調整後営業利益が同58%減の48億円。タイヤ販売では乗用車の新車用が同31%減、補修用が同26%減。TBの新車用が同31%減、補修用も同31%減となった。
同社では新型コロナウイルスの感染症拡大の影響を踏まえ、今年2月17日に公表した通期連結業績予想を修正。現段階では今後の業績に与える影響度が不明確であることから、業績予想を未定としている。同社事業においては、各地域での自動車生産減少、乗用車や商用車の稼働率低下、一部鉱山の稼働縮小や停止などを懸念材料として挙げている。新型コロナウイルス感染症による影響の長期リスクに向けた対応としては、同社の強みである堅固なキャッシュフローをさらに増強し、事態が長期化した場合でも十分な流動性を確保する。危機対応としての資金政策としては、手元流動性増強として、追加銀行借入を実施。社債発行の機動性を確保する目的から発行登録枠を拡大。新規のCP発行枠を設定する。
なお、2020年12月期の業績予想は業績予想が可能となった時点で、発表される。