2020年6月15日

アシックス
令和2年度「知財功労賞」経済産業大臣表彰の企業部門初受賞

アシックス(廣田康人社長)は、特許庁の令和2年度「知財功労賞」において、経済産業大臣表彰の「知的財産権制度活用優良企業等表彰(商標)」を初めて受賞した。知財功労賞は毎年、経済産業省特許庁が日本の知的財産権制度の発展等に貢献した個人および企業等を表彰する制度で、同社では模倣品対策をはじめとした自社ブランド保護の活動が高く評価され、受賞に至った。

受賞のポイント(概要)としては、〝ブランドは、究極の知的財産である〟という認識の下、経営に貢献し得る知財活動を広く実施。知財部門が自社の関係部署と早期から連携することで、他者権利を侵害しない、けん制力のある商品の創作を促すとともに自社のブランドを守り、育てることに努めた。

2018年1月、同社の商標と類似する商標を別途取得し、その商標を付した模倣品をアシックスのブランドとして販売する業者に対し、北京市行政当局と連携して一斉摘発に踏み切り、一日で60店舗3万足以上の摘発に成功。この摘発後、地方都市の行政当局においても同様の一斉摘発を推進した。一連の取り組みは、中国メディアでも大きく報道され、中央行政当局の年次報告書においても取り上げられた。中国での模倣品対策に苦労を強いられる他の日本企業にも自社の知財活動を紹介するなど、情報発信にも積極的に努めた。

模倣品対策とも連動して、悪意の商標出願対策を戦略的に進行。出願人の使用実施動向などをふかん的に分析することにより、悪意の商標出願の早期発見に努めた。16〜18年にかけて、悪意の商標出願に対応する多くの異議申し立てを集中的に実施。行政当局機関誌に自社商標広告を掲載することで自社商標の認知度を上げるとともに、法整備を促すための積極的な行政当局へのロビイング活動なども行った。

同社は、ビジョンである〝スポーツで培った知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する〟の実現に向け、世界の人々が健康で幸せな生活を実現できる製品やサービスの提供に努めている。アシックススポーツ工学研究所を中心に培ってきた独自の知的技術を保護し、信頼されるブランドの構築に取り組むことはもちろん、グローバルでビジネスを安定成長させるべく、知的財産権の効果的な獲得やその活用(模倣品に対する権利行使)に注力している。

同社では、今後も全社的に知的財産の保護に取り組み、企業およびブランド価値の向上に努めていく。