2020年7月15日

ミズノ
同社史上最高の反発性「ミズノエナジー」新開発

シューズ用高反発ソール素材

ミズノ(水野明人社長)は、同社史上最高の反発性を実現したシューズ用高反発ソール素材「ミズノエナジー」を新たに開発した。

ミズノエナジーは、柔らかさによってためた接地時のエネルギーを、ロスを少なく反発させるミズノ独自の新素材で、約2年の歳月をかけて開発。この新素材は「ミズノエナジーコア」「同ライト」との3タイプで構成されており、最上位タイプの同コアは、従来のソール素材である「ユーフォリック」と比較して反発性が約56%、柔らかさが約293%向上している。同ライトは柔らかさと反発性に加え、軽量性に優れたタイプで、反発性で約35%、柔らかさで約22%向上。幅広い用途で使用可能で標準的なミズノエナジーは、反発性で約15%、柔らかさで約17%高められている。

同社では1906年の創業以来、総合スポーツ用品メーカーとして、これまでの既成概念を覆すイノベーションを常に創出。ミズノエナジーは、野球やゴルフなどといったシューズカテゴリー以外の用具開発を通して培った反発性に関する知見を活用して開発された。

新素材のミズノエナジーを搭載したコンセプトモデルとして「ザミズノエナジー」を7月1日からミズノ直営店であるミズノトウキョウ、ミズノオオサカ茶屋町、ミズノ公式オンラインショップなどで限定発売している。カラーはブラック×ブラック×レッドで、サイズは23・0~29・0㌢(1㌢刻み)。価格(税別)は2万5000円で、グローバル販売数量は2000足。

ミズノエナジー(試作品)を着用した選手の感想としては、陸上競技の飯塚翔太選手(ミズノトラッククラブ)は「履いて走ってみると反発がすごくあって、自分の体が軽くなる感じがした。足が前に出るので、走りが大きくなる。レース終盤の疲れたときにも足がしっかり動いてくれる印象があり、また足への負担も少ないと感じる」と評価。卓球女子日本代表の平野美宇選手(日本生命)は「初めて着用したときに、今までにない反発力を感じた。今まで以上に蹴り返しやすいので、動きによりスピードが出そう」と反発力に期待を寄せていた。

同社では創業時、野球用品の製造・販売からスタートした。38年に業界に先駆けて、創業者である水野利八氏がセレクト科学研究所(現グローバル研究開発部)を設置し、材料開発やアスリートの〝動き〟を測定・解析することで、アスリートのパフォーマンスを高めるためのイノベーションを創出。97年には、シューズのソール部に波形形状のプレートを挿入した「ミズノウエーブ」を開発し商品化するなど、ソール設計に、構造面からのアプローチを取り入れることで、それまで素材偏重となっていたシューズ開発の既成概念を変革。シューズに求められるクッション性と安定性の両立を実現した。

02年に打球部に高反発素材を採用した世界初の軟式野球バット「ビヨンドマックス」を発売、18年には、たわみやすさを向上させ高い反発性能を発揮するゴルフクラブ「ミズノプロモデル―E」を発売するなど、反発性に関する研究開発を推進。今回、エネルギーのロスを少なく伝える用具の研究開発の知見を、シューズのソール設計に活用した。