2020年7月15日

アキレス
文化財石垣補修・補強技術協会設立

維持・保全を図る対策工法を構築

アキレス(伊藤守社長)は、城郭石垣および伝統的建造物群石垣の維持・保全を図るための対策工法を構築し、広く全国へと普及させる目的から「文化財石垣補修・補強技術協会」を、会員14社・2校とともに設立、その設立総会を7月2日に開催した。代表者は、発起人代表である国士舘大学の橋本隆雄教授で、事務局は建設資機材事業を手掛ける岡部(廣渡眞社長、所在地・東京都墨田区押上2―2―8、電話・03・3624・6201、FAX・03・3624・6215)内に置いた。

2011年の東日本大震災において、福島県白河市にある小峰城で石垣の10カ所約7000個が崩落し、16年の熊本地震では熊本城の石垣の約8割が崩壊した。18年7月の西日本豪雨、同年10月の台風24号により、香川県丸亀城ではこれまでの修復箇所も膨れ出し、3度目の崩落が発生している。これまで被害のなかった文化的遺産である他の石垣においても、膨れ出しによる変状により、次の地震、豪雨による崩落の懸念が顕在化。解体から積み直しという工法では膨大な時間とコストを要することから、結果的に歴史的文化的遺産の損失へとつながる可能性がある。

これらの補強工法は実績がなく、いまだ土木・地盤工学分野の視点での対策技術が確立されていないのが実情。しかしながら、アキレスにおいてはトンネル補修などにおいて発泡ウレタンによる維持・補修技術を備えており、それらを生かすことで極力現状を維持し、美観を損なうことなく耐震性を向上させる対策工法の構築に会員各社と共同で取り組んでいる。この技術を含め、今後さまざまな対策工法の確立を目指し、広くそれらの技術を全国へと普及させる目的から今回、文化財石垣補修・補強技術協会の設立総会を開催する決断に至った。

協会の事業内容としては、文化財石垣補修・補強に関する技術の向上発展、工法のPR活動と普及発展のための活動を行う。

加盟会員は次の通り(順不同)。
▽アサヒエンジニアリング▽中村建設▽アートコーポレーション▽エバーストラクション▽大阪防水建設社▽青江造園土木▽アミック▽メインマークアクアテック▽ジオフィール▽日測▽日鉄建材▽アキレス▽前田工繊▽フリー工業▽岡部▽国士舘大学▽金沢大学