2020年7月25日

デサント
中国事業拡大へ

持株比率を引き上げ
合弁会社への出資40%に

デサント(小関秀一社長)は7月15日、オンライン記者会見を開催し、同社の2021年3月期の業績予想(3面に掲載)、中国における合弁会社再編に係る契約締結およびそれに伴う特別利益計上に関する報告、同社子会社株式の減損処理に伴う特別損失の計上についての説明を行った。会見には小関社長、土橋晃取締役常務執行役員が出席。質疑応答にも応じた。

同社では今年5月に、100%子会社として「デサント」ブランドの中国商標権などを保有する管理会社としてDC—IPを設立。最終契約締結後、同社が保有するデサントブランドの中国における商標権などをDC—IPに現物出資してきた。16年に子会社のデサントグローバルリテール(本社・韓国ソウル市、金勳道社長、以下、DGR)と、安踏体育用品(本社・中国福建省廈門市、丁世忠会長兼CEO、以下、Anta)の子会社である安迪体育用品(以下、Andes)および伊藤忠商事(鈴木善久社長COO)の子会社である伊藤忠テキスタイルプロミネント(アジア)(本社・中国香港市、森田洋社長、以下、IPA)の3社間で設立したデサントブランドの中国事業に関する合弁会社であるデサント・チャイナ・ホールディングス(本社・中国福建省廈門市、丁世忠会長兼CEO、以下、DCH)へ現物出資することなどにより、DCHに対する持株比率を引き上げる再編を行うことに関してAnta、伊藤忠商事と最終協議を行い、15日開催の取締役会において、再編に関する契約を締結することを決議した。

今回の再編の概要については第1ステップとして、デサントの100%子会社として本年5月27日付けで設立したDC—IPに対して最終契約締結後にデサントが保有するデサントブランドの中国における商標権などをDC—IPに現物出資。第2ステップとしてデサントは、デサントの保有するDC—IPの発行済株式のうち90%をDCHへ現物出資し、DCHの株式を追加取得する。AndesはDCHの第三者割当増資を引き受けるとともに、DGRおよびIPAから、DCH株式の一部を譲り受ける。こうしたステップにより、DCHに対する各社の出資比率はAntaグループ54・0%、デサントグループ40・0%、伊藤忠グループ6・0%となる。

今回の再編に伴う一連の取引実行により、21年3月期の連結業績において、持分変動差額として約40億円の特別利益が発生する見通しで、今期の連結業績予想に織り込まれている。事業再編効果としては、DCHグループが中国におけるデサントブランドの商標権を保有することにより事業の成長が加速、22年3月期決算からの変更点としては持分法による取込損益が30%から40%に増加する。追加出資により、デサント単体の財務CF(受取配当金)の増加も期待できる。