2020年8月20日

横浜ゴム
2020年12月期第2四半期決算 最終損益は黒字を確保

ATGが底堅く推移

横浜ゴム(山石昌孝社長)は7日、ウェブ配信を通じて決算説明会を行った。それによると、売上収益は前年同期比20・6%減の2471億1800万円、事業利益が同86・8%減の22億7500万円、営業利益が同88・3%減の29億4600万円、四半期利益は同92・5%減の12億5700万円となった。新型コロナウイルス感染症の影響により、主力のタイヤ事業が落ち込んだものの、ATGが底堅く推移し、各種内部改善に努めた結果、厳しい事業環境にありながら最終損益は黒字を維持した。

事業利益における増減要因は、為替差損で6億円、販売量による影響で91億円(販売量減少119億円、変動費効果28億円)、製造原価で75億円、特殊要因で12億円、MB(マルチプル・ビジネス)事業の低迷で26億円、ATGに関する減益19億円、その他要因で9億円の収益圧迫要因があったものの、原料価格の効果で46億円(天然ゴム1億円、合成ゴム20億円、配合剤18億円、その他7億円)、価格/MIXで20億円、固定費の圧縮で23億円の増益要因があり、最終損益での収益を確保した。

セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前年同期比20・7%減の1665億7700万円、事業利益は20億1900万円の損失(前年同期は75億900万円の利益)。新車用タイヤは、国内において新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少がさらに進行したほか、海外でも各国自動車メーカーによる生産調整が継続したことから、国内外ともに低迷した。市販用タイヤは、高付加価値商品の拡販に努めた上で、各種戦略を推進。国内においては年初の暖冬の影響により、冬用タイヤの販売が低調に推移した状況に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う消費活動の停滞により需要の減少が継続した。海外においても、全般的に需要の減少が継続した。

MB事業の売上収益は同20・2%減の475億3000万円、事業利益は同65・2%減の13億9200万円。各事業において、新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、ホース配管事業は、国内外での取引先の操業停止などにより販売が低調に推移した。工業資材事業においては、取引先の操業停止や工事中断などによってコンベヤベルトおよび土木資材の販売が低調に推移したことで伸び悩んだ。ハマタイト事業も、国内では工事の中断などが継続したほか、国内外において自動車生産の減少が継続していることから、売上収益は前年同期を下回った。航空部品事業では、民需向けの販売が減少した。

ATGの売上収益は同19・3%減の300億5900万円、事業利益は同37・3%減の32億4100万円。農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤは、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響によって需要が減少した。

通期については、新型コロナウイルスの感染拡大規模や、収束時期が見通せない状況下において、合理的な業績予想の算定が困難であったことから、いったん未定としていたが、当期連結業績および同社グループにおける現時点での入手可能な情報を基に通期の業績予想を算定。通期予想については売上収益5360億円、事業利益210億円、営業利益200億円、当期純利益125億円と予想している。

また同社では、今月7日開催の取締役会において、本年6月30日を基準日とする剰余金の配当を行うことを決議した。それによると1株当たり中間配当32円、期末配当32円で、年間配当金として64円を予定している。