2020年8月20日

TOYO TIRE
2020年12月期第2四半期決算 回復基調で通期予想も発表

回復基調で通期予想も発表

TOYO TIRE(清水隆史社長)は7日、兵庫県伊丹市の同社社屋において「決算発表会」を開催した。同時にウェブ会議システムを通じて会場以外でも参加できる状態も整えた。同社では例年、東京と大阪において会場を用意して説明会に臨んでいたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の側面に立ち、最大限の感染対策を講じ同本社内での実施を決めた。説明会には清水社長をはじめ、ソーシャルディスタンスの距離を置いて5人の経営陣が個別のデスクを配置して安全性に配慮。それぞれの机上にはアクリル板が3方向にわたって囲むように配置され、発言における防染空間を作り上げていた。会場の参加者に対しても万全の体制で感染防止に力を注いでいた。

業績についての説明は清水社長自らが行った。それによると当期の売上高は前年同期比15・7%減の1505億8600万円、営業利益は同48・3%減の79億2800万円、経常利益は同68・4%減の437億900万円、四半期純利益は同93・1%減の5億2000万円。「円高に振れており、為替差損で19億円、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、16億円の利益が失われた」(清水社長)。

営業利益における増減要因としては、販売要因によって67億円減、それによる製造コスト増で49億円、為替差損9億円、自動車部品事業の減少分10億円のマイナス要因があったことから、原材料の価格良化による31億円、償却変更による20億円、販管費の削減による10億円といった収益要因を上回った。

セグメント別では、タイヤ事業の売上高は前年同期比13・6%減の1344億3000万円、営業利益は同39・6%減の97億3300万円。北米市場における市販用タイヤについては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、販売量、売上高ともに前年を下回った。ただし経済活動再開後は回復基調にあり、第2四半期では販売量、売上高ともに前年並みで推移。欧州市場における市販用タイヤについては、新型コロナウイルス感染症が欧州全域で広がった影響を大きく受けた。新車用タイヤについては、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けた。国内市販用タイヤについては、新型コロナウイルス感染症による需要の減少と、前年度に値上げ前の駆け込み需要があった影響から販売量、売上高ともに低迷した。

自動車用部品事業の売上高は同29・5%減の161億2900万円、営業損失は18億500万円(前年同期は7億5600万円の損失)。防振ゴムの売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けた。

免震ゴム問題に関する特別損失としては、第2四半期累計で17億5100万円を計上している。

今期については「欧州の販売活動も再開しており、英国や日本において売り上げ増、収益の改善を図る。それにつれて工場の稼働率も上がり、収益性も向上。新たに需要の回復基調も漂いつつある」(清水社長)ことから、これまで今期の通期見通しを未定としていたが、算定の予測が立ったことから、通期見通しを明らかにした。それによると売上高3300億円、営業利益300億円、経常利益254億円、当期純利益140億円と見込んでいる。