【ホース・チューブ・継手特集】タイガースポリマー
不測の事態にも対応
新たな成長への一つの節目
タイガースポリマーの2021年3月期の第1四半期におけるホース・チューブを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの影響下での厳しい情勢が続き、苦戦によって前年同期の実績を割り込み、計画値に達することはできなかった。
多くの市場が新型コロナウイルスの影響を受けたが、自動車産業を筆頭に設備投資の抑制が逆風になった。4月6日~5月6日にかけて政府が発令した緊急事態宣言により、対外的な営業活動、現場重視の同社の業務の取り組み姿勢でさえ、これまでにない柔軟で新たな対応が求められるようになった。「取引先や、現場への訪問ができない事態も想定した業務の遂行を模索する必要も出てきた」(同社)。そのため、コロナ対策を想定した新たな営業活動へと舵を切る決断にも迫られており、現在ではテレワークやウェブ面談などに軸足を置いた活動を想定しながら業務を進めている。
ユーザー業界に対する拡販に向けた取り組みについても、ウェブ面談によってコミュニケーションを図る方法をとっている。こうした新たな業務方式を習慣化することによって、不測の事態に遭遇した状況においても事業展開の滞りを防ぐ。
インフラ市場は、その他の市場よりもコロナの影響を受けておらず、悪いなりにも土木・電設系の商材はそれなりに動いている。「タイレックス」「タイパワーホース」等の商材もあり、電線地中化、万博関連等の動向については注視していきたい。
今期の業績の見通しについては、新型コロナウイルスによる経済や社会情勢に与えた影響は大きく、今期は厳しい状況が継続すると予測。しかしながら、自動車産業などは復調の気配を見せており、そうした環境を見据えながら、同社としては下期以降の復調に向けて全力を注ぐ。業務内容の革新を余儀なくされた今こそ、新たな成長に向けた一つの節目として、意識と行動の両面から事業の拡販を懸命に推し進める。