バルカー
2021年3月期第2四半期決算
先端産業市場向け業績回復
配当は中間、期末45円
バルカー(本坊吉博社長COO)の売上高は前年同期比13・2%減の216億3000万円、営業利益は同33・8%減の16億8500万円、経常利益は同30・3%減の17億6200万円、四半期純利益は同0・7%減の18億300万円となった。新型コロナウイルス感染症に端を発する自動車・産業機械関連産業を主な顧客とする機器市場に向けた販売の減少などといった事業環境の悪化や設備投資減速の影響により、機器市場、プラント市場向けが大幅に減速。さらに企業基盤整備に向けた費用(基幹システム刷新等のIT投資、リスクマネジメント体制等の強化)の先行投資負担増の増加により、減収減益となった。しかしながら、売上高減少による影響を受けたものの、高機能シール製品の拡販などを反映したプロダクトミックス変化によって売上総利益率は前年同期比で2・0㌽上昇した。
セグメント別では、シール製品事業の売上高は前年同期比5・6%減の153億9800万円、セグメント利益は同11・0%増の20億9500万円。先端産業市場向けの業績が回復したが、自動車など機器市場や海外のプラント市場向けの販売が減少した。
機能樹脂製品事業の売上高は同28・1%減の49億3600万円、セグメント損失は3億3900万円(前年同期は4億900万円の利益)。主要市場からの需要が減少したことに加え、一部顧客への製品の納入時期が延期されたことにより、影響を受けた。
第1四半期からセグメント内における個別事業の占める比率を勘案し、従来のその他事業から名称変更したシリコンウエハーリサイクル事業他は主力事業の受託量が減少し、売上高は同25・3%減の12億9500万円、セグメント損失は6900万円(前年同期は2億4800万円の利益)となった。
通期の業績予想については第1四半期経過時点では、新型コロナウイルス感染症の事業への影響把握および将来の予測に関する合理的な算定が困難であったことから、未定としていたが、今後の見通しにつき一定程度の合理性をもって算定することが可能となったことから売上高443億円、営業利益30億円、経常利益31億円、当期純利益27億円を見込んでいる。配当についても第2四半期の業績確定、通期業績予想の算定が可能となったことを踏まえ、第2四半期末、期末ともに1株当たり45円とした。なお、この予想は新型コロナウイルス感染症の大規模な再拡大等、不測の事態の発生による業績の悪化は織り込まれていない。