2020年11月25日

台湾貿易センター大阪事務所
台湾プラスチック・ゴム機械発表会

製品導入メリットアピール

オンライン配信による発表会「台湾プラスチック・ゴム機械発表会」が11月18日、数多くの視聴者を集めて午後4時より行われた。台湾貿易センター大阪事務所が主催し、ネットを通じて職場や自宅からでも、台湾のイノベーティブな技術、魅力ある製品の情報を収集できるイベントとして企画。国を問わず、どこからでも参加することができることから、日本だけでなく、インドネシアやエジプトなど海外からの視聴も数多く、台湾のゴム・プラ機械の有力情報に耳を傾けた。説明を担当した参加企業は、台湾を代表する優良プラスチック・ゴム機械企業の6社で、実演映像やデータシートを交えながら、自社製品の導入メリットを参加者にアピールした。

司会者のあいさつに続き、最初に成型機の高速ミキサーなど周辺機器を手掛けるアバロン社を代表してデピュティ(副)ゼネラルマネージャーのキャサリーン・チャン氏が登場。アバロン社は世界各国に高速ミキサーの納入実績を持っており、顔料や添加剤混合機、粉砕機などミキサー周辺機器を含めたプロセッシングラインとしての販売も行っている。発表会では自動液体計量システムやカラーマスターバッチを行う製品の特長のほか、リサイクルにも技術的強みを持っており「次の総合システムの再構築を行う機会が訪れたときには、ぜひとも相談してほしい」と語っていた。

2番手として登場したCLF社のプロジェクト・マネージャーのサム・リン氏が、まずは同社の概要について説明。台湾で1966年に設立され、現在では台湾屈指の射出機メーカーとして君臨。世界100カ所以上で取引相手を持っている。新たな製品とテクノロジーを常に生み出しており、現在は縦型射出成型機の開発に注力。ハイブリッド高速マシンでは多くの実績を備えており、大型射出成型機のカスタマイズも行っている。発表会では実際の作業現場を映し出し、映像を通じて導入メリットをアピールしていた。

引き続き、モルデックス3D社でデピュティCEOを務めるデビッド・スー氏が説明を担当。シミュレーション技術で名をはせており、同社の製品は3D解析によって高品質な樹脂製品を追求。生産技術者、設計者のための樹脂流動解析ソフトウエアを駆使し、材料データから実際に製品化された場合のシミュレーションによって性能を解析することも可能にしている。ソフトウエアの〝モルデックス3D〟には独自の評価技術が備わっており、射出成型機全体のデジタルビジョン作成に大いに貢献する。

次に担当を務めたグレコ社のインターナショナル・セールス・リプレゼンタティブのカレン・シェイ氏は、品質・技術・サービスをモットーにした同社の事業姿勢から案内。美しい映像とともに、同社の業務内容を紹介した。ドライフィルムレジストから特殊化学品など、プラスチック原料を手掛ける同社では、主力製品の一つであるTPU樹脂の中でも多くの特性を備えたETPU樹脂についてアピールした。リサイクルにも適しており、優れた柔軟性とリバウンド性を発揮する。蒸気成形、混合成形などで使用されており、映像では蒸気成形によって得られた製品の物性データシートを公開。混合成形では引っ張り強度の強さなど、映像を通じて活用メリットを明確に示した。

続けてハイプラス社でリージョナル・セールス・マネージャーを務めるジュリオ・ツァイ氏が登場。ハイプラス社では印刷機やフィルム押出機を手掛けており、主力製品はプラスチックフィルム押出機。北米や中南米、東南アジアなどの企業との間で数多くの取り引き実績を重ねている。同社は〝プラスチックフィルムによって社会を一段と豊かにする〟という理念で操業しており、その一端として再生利用や生分解性を備えた素材との互換性を備えた機種も設計。「環境負荷の少ないプラスチックフィルムの生産に貢献するメーカーとして、日本市場には非常に高い関心を持っている」と述べ、説明を終了した。

今年で操業35周年を迎えたテンソ社からは同社を代表して、マーケティングマネージャーを務めるイヴァン・チェン氏が説明を担当。インジェクション成型機に対応したロボットを生産しているメーカーで、今回はフルサーボロボットの紹介を行った。国際的な時代の要請である自動化の流れに対応し、高性能取り出しロボットによって世界市場に広く貢献。4000㍉というロングストロークに対応したマシンを手掛けているのは市場でも同社しかなく、同社製品は自動車、家電、その他のエレクトロニクス業界に広く浸透している。中でも〝TES〟シリーズは、射出成型機と連動させることで、すべての機種においてラック&ピニオンによってスムーズな動作を実現。ハンドコントローラーを備えながら、無人コントロールシステムを装備している。ロボットが成型品を素早く確実に取り出し、わずかな誤差も生じさせることなく、無人の状態で繰り返しそれが繰り返される。台湾市場では60%のシェアを持っており、OEMにも対応。チェン氏は「お客様の要望に合わせて生産する体制が整っていることから、ぜひとも相談してほしい」と述べ、発表会を締めくくった。

製品紹介の後には、発表各社とのミーティングが開催され、視聴者も参加して盛り上がった。発表企業との個別の商談についても、希望によってアレンジされた。