2020年12月20日

西部ゴム商組
「近畿支部会」を開催

コロナ禍の一年の活動振り返る

西部工業用ゴム製品卸商業組合(岡浩史理事長)は12月10日、同組合の一年の締めくくりである恒例の近畿支部における「近畿支部会」「講演会」を、大阪市北区のリーガロイヤルホテルにおいて開催した。

冒頭、あいさつに立った近畿支部会の田井登支部長は、今は亡き作家の三島由紀夫氏の著書に触れ「三島氏が29歳の時に書かれた作品に潮騒という話があるが、これは三島氏にとって異彩を放つ物語であり、純粋な恋愛をテーマとして取り上げて書き上げられている。話が書かれたのは1954年だが、彼は51~52年にかけて世界を旅したとき、立ち寄り先のギリシャの風景に大きな感銘を受けたと語っている。どんなに頑なな人物であっても、外部から受ける刺激によって心の持ち様が変わることがある。われわれも一致団結して、互いに刺激を与え合いながら新しい市場を切り開いていきたい」と述べてから、支部活動報告に入った。

主にメンバー同士の懇親と情報交換を目的に結成され、これまで歴史を積み重ねてきたが、今年は新型コロナ感染拡大防止を目的に大半のイベントが中止。5月26日の支部総会は、極力少人数で開催されたが、5月28日の「近畿ゴム商工ゴルフ会(どんぐり会)」は中止の決断を下した。コロナ禍が下火になった9月28日開催の「第98回どんぐり会」は、開催にこぎつけた。今回の近畿支部会・講演会においても感染防止に向けての最大限の対応を図って実施に踏み切ったが、例年開催の懇親会は中止を決めた。

大阪ゴム商業会(大西健路会長)との共催事業については、ソフトボール大会は、密を避けながらゲームを開幕。その一方で「第31回ボーリング大会」「ミニハイキング」は中止となった。同商業会では、新型コロナ感染症拡大の懸念を最大限に回避する対策が可能な新たなイベントとして「第1回フットサル大会」を企画しており、来年3月の実現に向けて計画を練っている。

講演会には引き続き約32人が聴講に参加。今回も、講師にポスティコーポレーションの秋山邦男会長を講師に招き「アンケート調査に見るゴム産業の現状」の演題で話を進めた。

講演会の開幕に先立ってあいさつに立った岡理事長は「この一年間というものは、新型コロナウイルスにほんろうされ、計画していた研修会やイベントはすべて水に流れた。非常に残念な思いを抱かれている組合員も多いと思うが、われわれとしても何とか実施できる方法は残されていないかと水面下で懸命に努力してきた。感染予防で万全な体制が確保できる場合は実施に踏み切ったが、不可能な案件に関してもリモートやウェブで実現させた。窮余の策ではあったが、待望であった組合員企業の広島や岡山などといった支店などからの参加者も集まった。遠方からの参加者がモニターを通じて参加してくれたことで、距離を問題としない勉強会としてのメリットとして非常に大きな収穫も得られた。工場見学会などもバーチャルで実現できるよう検討している。皆さんにも良いアイデアがあれば、どんどん寄せて頂きたいと思っている」と、今後への意気込みを述べた。

講演会では、秋山会長が明治・大正に創業したゴム商社を紹介。その歴史をたどっていった。ゴム業界の現在の景況感、利益の見込みなどといった項目によるアンケート結果が紹介されたが、商業者の10%が「増加の見込み」という結果を取り上げ、予想以上の数字が出たのは「さまざまな商品を取り扱っているからだろう」と推測した。