ニッタ
新中期経営計画を発表
「SHIFT2030」
積極的な変化遂げる
ニッタ(石切山靖順社長)は12月17日、大阪市浪速区の同本社において、2021年~30年を実行期間とした中長期経営計画「SHIFT2030」を発表し、石切山社長自ら、その内容の根底に込めた思いなどを説明した。キーワードは計画名にも取り入れられている〝SHIFT〟で、その言葉の表す意味は技術革新に代表される急激な変化の到来に対して、自らを奮い立たせてチャレンジし、時代や環境が求める能力を培う姿勢の象徴として熱い思いを込めて命名した。
石切山社長は、10年後の同社のあるべき姿として、〝SHIFT INNOVATOR cored around manufacturing(ものづくりを核としたシフトイノベーター)〟と表現。「当社が取り組んでいる事業は、いわば成熟分野の域に差し掛かっている。長年にわたって取り組んできた従来の事業を一段と発展させ、そこで生み出した経営資産を活用しながら新しい領域に新たな事業の柱を打ち立てる。企業の発展にはトップラインを伸ばすことも大切だが、サステナブルな取り組みなど、時代に応じた事業展開への変革も不可欠な要素であると認識している。世の中の変化に準じてわれわれも積極的な変化を遂げていく」(石切山社長)。
定性目標の3大SHIFTとして、一つ目が成長へのSHIFTで、既存事業の持続的成長、新事業の探索、新製品開発の加速を促す。二つ目の企業価値向上に向けてのSHIFTでは、品質およびトータルコスト競争力の向上、コーポレートガバナンス、コンプライアンスの強化、ESG推進とSDGsのGoal達成。3つ目の更なるグローバル化へのSHIFTに向けては、各事業のさらなるグローバル展開、コーポレート部門によるグローバルサポートの強化を図る。それによる成果としてのSHIFT2030では、定量目標として売上高1150億円に加え、プラスアルファとして、さらにその上積みを目指す。新規事業の確立と、M&Aなどといった適宜なメソッドを生かすことにより、企業努力の結晶として、さらなる成長を呼び込んでいく。このほか営業利益率は8・0%、新製品売上比率は10・0%、海外成長率を20年度比170%まで成長させ、グローバル企業としての位置付けも高める。計画中の設備投資予算は400億円。
SHIFT2030のマイルストーンとしては、21~24年をフェーズ1とし、売上高900億円を目指す。設備投資も全体の過半数を占める218億円を想定しており、将来のありたい姿の成長に向けての体制構築に初手から打って出る。25~27年のフェーズ2では売上高1000億円以上にまで数字を伸ばし、目標到達に向けた軌道に着実に乗せる。28~30年におけるフェーズ3で、計画通りの着地を果たし、〝10年後のありたい姿〟の企業体を実現する。