2020年2月25日

国内タイヤメーカー 19年12月期決算出そろう
横浜ゴム

売上収益、当期利益過去最高
期末配当は2円増配

横浜ゴム(山石昌孝社長)は14日、東京都港区の同本社で決算説明会を開催した。当期の売上収益は前期比微増の6504億6200万円、事業利益は同15・4%減の501億2900万円、営業利益は同9・5%増の585億6400万円、当期利益は同17・8%増の419億7100万円となり、売上収益、当期利益はそれぞれ過去最高となった。当期の売上収益における為替の影響は99億円で、その要因を除くと102億円のプラスとなる。配当金についても、第1四半期に固定資産の売却および第3四半期にインドの法人税率引き下げに伴うATG(アライアンスタイヤグループ)組織再編時に計上した税金負債の取り崩しを実施したことなどにより、期末配当金は当初予定に対し2円増配の1株当たり33円を予定しており、年間では1株当たり64円と見込んでいる。事業利益における増減要因はタイヤ事業では原料価格31億円(天然ゴム6億円のプラス、合成ゴム22億円のプラス、配合剤3億円のマイナス、その他6億円のプラス)の増益要因があったものの、為替差損26億円、販売量5億円(販売量プラス29億円、変動費34億円のマイナス)、製造原価31億円、価格/MIX(冬タイヤ販売減に伴う販売MIX悪化)65億円、固定費増による19億円の収益圧迫要因があった。ATGは19億円、MBも9億円増益したが、その他要因で5億円の減益要因に見舞われた。

セグメント別では、タイヤ事業の売上収益は前期比0・7%減の4516億9800万円、事業利益は同27・3%減の307億5700万円。新車用タイヤは北米では好調に推移したが、国内では納入車種の切り替えなどにより影響を受け、北米以外の海外も販売が伸び悩んだ。市販用タイヤは国内では夏用タイヤの販売は順調に推移したが、暖冬の影響により冬用タイヤの需要が伸びず販売本数は前期並み。海外では販売が順調に推移し、市販用タイヤ全体で売上収益は前期を上回った。事業利益は、物流関連費用の悪化や為替が円高で推移したこと等の影響で収益を落とした。

MBの売上収益は同1・3%増の1193億3700万円、事業利益は同12・4%増の83億2200万円。ホース配管事業は海外で自動車向けの販売は好調に推移したものの、建機需要が中国において低調。国内でも台風の影響などにより減少し、売上収益は前期をわずかに下回った。工業資材事業は国内外でコンベヤベルトの販売は順調に推移し、売上収益も伸長。ハマタイト事業は大都市圏の再開発需要が伸びたことで国内の建築用シーリング材の販売が好調であったものの、自動車関連が振るわず売上収益は前期並み。航空部品事業は民間航空機向けラバトリーモジュールの補用などの民需向けや官需向けともに好調で、売上収益は前期を上回った。

ATGの売上収益は同3・1%増の707億8700万円、事業利益は同23・0%増の104億400万円。農業機械用・産業車両用タイヤをはじめとするオフハイウェイタイヤは、特に市販用タイヤの販売が好調であった。

今期については売上収益が前期比1・5%増の6600億円、事業利益同9・7%増の550億円、営業利益同6・9%減の545億円、当期利益同9・5%減の380億円を見込んでいる。