2021年3月5日

日本建設機械工業会
建設機械の出荷金額需要予測

初のウェブ開催で記者会見実施

日本建設機械工業会(数見保暢会長)は2月24日、東京都港区の機械振興会館で建設機械の出荷金額の需要予測を行う会長記者会見を開催した。例年2月と8月に実施しているが、今回はコロナウイルス感染拡大防止の観点から、初めてウェブで実施。需要予測に加え、会員各社のコロナウイルスの影響についてもアンケート結果を基に報告した。

2020年度の出荷金額は、前年同期比16%減の1兆8325億円という見込みで、国内・輸出ともに上期実績に比べ下期は大きく回復したが、通期では新型コロナウイルス感染拡大の影響を免れきれなかった。このうち国内出荷は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、上期計では建設用クレーンが816億4400万円で、同24%減と落ち込み、このほかも7機種が減少、同13%減の3969億600万円となった。下期は消費税増税後の反動減からの回復、公共投資にも支えられ、主力機種である油圧ショベル、ミニショベルなどが回復。しかしながら下期計では同1%増の4447億円と見込んでいる。国内の20年度合計では、同6%減の8416億600万円となり3年ぶりに減少すると予測した。

21年度の出荷金額については、国内は横ばいにとどまるものの輸出が回復、全体では増加に転じると予測した。出荷金額は同2%増の1兆8758億円と予測。土工系機械は前年並みで推移すると推定されるものの、住宅投資および民間設備投資の落ち込みにより、建築系機械が減少すると予測した。上期計では、同3%減の3865億円、下期計では前年同期並みの4433億円と推定している。これらの合計では、同1%減の8298億円となり、2年連続の減少に見舞われるものとみている。国内需要予測の背景として、同工業会の会員の見方としては「公共投資は20年度の下期から、横ばいで推移するといった見方が会員の60%前後の見解であり主流を占めている。しかしながら21年度の下期からは増加するとの見方が増えている。住宅投資については、20年度においては減少の声が多数を占めているが、21年度上期からは横ばいで推移するものと推察している」。

輸出については20年度は、国内と同様に新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全9機種が減少、上期計では同39%減の4416億1800万円と見込んだ。下期は、減少幅は縮小するものの回復には至らず、下期計で同2%減の5493億円と予測。この結果、20年度合計では、同23%減の9909億1800万円と見込み、2年連続で減少するものと推測した。

21年度は北米、欧州、アジアといった3大輸出先を中心に多くの機種の需要が回復すると予測し、上期計では同7%増の4739億円、下期計では同4%増の5721億円へと上向くと見ており、21年度合計では、同6%増の1兆460億円となり、3年ぶりに増加に転じるものと予測している。海外需要予測の背景として、同工業会の会員の見方としては「中国の動向に注目が集まっており、20年度は増加し、21年度も引き続き増加の傾向をたどるのではないかと期待を寄せている。欧州市場については、20年度は全体の8割方が減少するものとみており、悲観的な見方が大勢を占めているが、21年度からは増加の見方が55%と過半数を占め、明るい兆しを感じ始めている」。