ブリヂストン
2021年からの中期事業計画を策定
“攻め”と”挑戦”
ブリヂストン(石橋秀一CEO)は2月16日、2021~23年を実行期間とした「中期事業計画」を策定、ウェブを通じて石橋CEO自らが概要説明に立ち、同社の新たな企業体へと進化を遂げる革新への道のりを示した。鮮明に示された戦略項目は〝攻め〟と〝挑戦〟で、タイヤ事業においては、経費・コストの構造改革に取り組み、事業・生産拠点再編、リソース再配分を実施。プレミアムビジネス戦略強化(EtoE)などにより「〝稼ぐ力の再構築〟を図ることで、計画が着地する23年度においては変革後の〝強い〟ブリヂストンとなり、グローバルトップを確固たるものにする」(石橋CEO)。
稼ぐ力の再構築に向けては、プレミアムビジネス戦略・プレミアム販売を強化。EV化の加速、シェアリングサービスの拡大などに対応した高付加価商品、技術の拡大や強化を図り、サステナビリティを中核にした同社独自のアプローチを行う。「タイヤに求められる条件も変化しており、モビリティトレンドを的確にとらえた次世代の環境対応商品をベースに技術の強化を図る」(同)。事業ポートフォリオと主要施策については、サステナビリティを中核に、コア事業・成長事業・探索事業で構成される事業ポートフォリオで経営を推進。これら事業領域に、7000億円レベルの戦略リソースを投入する。
コア事業の進化の一方で、成長分野であるソリューション事業を拡大。独自のビジネスモデルを確立し、新たなコア事業へと育て上げる。リサイクルやソフトロボティクスといったコアコンピタンスが効果的に発揮できる事業領域を探索し、新たな成長事業として重点ポートフォリオに加える。独自のビジネスモデル構築に向けては、タイヤ事業の強みを生かし、ソリューション事業へと進化(タイヤ・ソリューション事業)。スパイラルアップによって価値の増幅を図る。ビジネスモデルの概要としては、成長事業においてモビリティソリューションにおいて〝システム価値を創造して販売〟タイヤ/タイヤデータ/を活用し、新しい価値を提供する。タイヤセントリックソリューションでは、〝価値〟を創って売る。タイヤ/タイヤデータを活用し、高付加価値を提供する。
中期経営計画のロードマップでは、タイヤを製造して販売し、ソリューション事業として使用に付加価値を持たせ、量的な強化・拡大を追求。その後は原点に戻すリサイクルに向けた事業化を探索する。23年には、この探索結果を実際に事業化し、30年にはタイヤ・ソリューション・リサイクルの全事業において、カーボンニュートラルを織り込みながら循環サステナブルビジネス事業の構築を図る。目標としてはサーキュラーエコノミーの促進によって再生資源・再生可能資源比率40%、カーボンニュートラルによりCO2の排出量は50%削減されることで排出量の5倍以上のCO2削減効果が得られる。同社ではこの状態を必達目標と掲げており「環境に対応しながらソリューション売り上げ向上を図ることで、環境変化に対応しながら一段とレジリアンな高収益体質を確立しながら成長を持続する企業」としての位置付けを確立する。
財務計画としては、既存のリソースを徹底的にふるいにかけ、バランスを取りながら戦略リソースにおいて徹底した投入を行う。23年には売上収益3兆3000億円レベル(ソリューション売上比率20%レベル)、調整後営業利益4500億円レベル(同13%レベル)、当期利益2900億円レベル、ROIC10%レベル、ROE12%レベルにまでもっていく。