2021年3月15日

デンカ
CO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体

高温で長期使用可
1400度領域で性能発揮

デンカ(山本学社長)はCO2削減に貢献する高断熱ボード・成形体を開発し、高温環境下で長期間使用可能な高断熱素材として2021年度上期から試験販売を開始する。

同開発品はアルミナ、シリカを主成分とする結晶質アルミナ繊維「デンカアルセン」に、無機材料設計の基盤技術を応用し、自社開発した高耐熱・多孔質セラミックス材料であるCA6(カルシウムヘキサアルミネート)を複合させることで、固体・気体熱伝導を低減するとともに、特に1400度領域高温下において良好な断熱性能を発揮する構造を実現した。これまで技術的に困難とされていた1000度以上の高温下での良好な断熱性によって、従来の耐火材と比較して約60%のCO2削減効果(鉄鋼用加熱炉天井部を断熱した場合の伝熱計算モデルから推定。生産速度や熱バランス等は考慮されていない)が見込まれる。またCA6を有効に適用したことによって酸化鉄による耐浸食性も改善されることから、鉄鋼業向けへの採用も期待できる環境貢献製品と位置付けている。

同社のデンカアルセンは工業炉用耐火断熱材だけでなく、自動車から排出される粒子状物質や窒素酸化物などといった大気汚染物質の排出規制強化に対応するため、自動車の排気ガスを浄化する触媒担体やフィルターを守る保持材に使用され、環境負荷低減に貢献している。