【ゴム・樹脂コンベヤベルト特集】三ツ星ベルト
多機能ブルーベルト

三ツ星ベルトの搬送用ベルト事業を取り巻く現況は２０２１年３月までは、依然として新型コロナウイルス感染症による影響を受けた。国内企業の生産活動は低調に推移したものの、食品業界向けは、新型コロナウイルス感染拡大の影響が比較的少なく、生産も好調に推移している。しかしながら、空港や物流業界向けについては、新規および補修の案件が伸び悩んだ。

ゴムコンベヤベルトは、大型のベルト取り替え案件が減少、公共工事などの延期などにより売り上げは減少している。今後については、新型コロナウイルスが及ぼす影響が不透明であることから、見通しは困難としている。

同社では今年の３月にインテックス大阪で開催された「２０２１モバックショウ（国際製パン製菓関連産業展）」に出展。食品搬送用ベルト「ママラインシリーズ」、エンジニアリングプラスチック製品をアピールした。これらは改正食品衛生法に適合しており、ユーザーのＨＡＣＣＰ対応をサポート。製パン・製菓業界向け新製品を数多く展示し、多くの来場者でにぎわった。出展製品では、改正食品衛生法適合・多機能ブルーベルトが大きな注目を浴び、①抗菌・防かび②糸ほつれ防止③鏡面④低収縮⑤耐次亜塩素酸ナトリウム⑥耐湿熱性⑦耐油性を持ち合わせた多機能ブルーベルトで、改正食品衛生法に適合した安全性をアピール。各種プリントベルトも展示され、新製品である「ＨＳプリント」はベルト表面にプリントした後、ハイブリッドシリコーン（透明）樹脂をラミネート。図柄の鮮明性とベルト表面の離型性を両立させた新しい付加価値を備えたベルトで、粘着性の強いパン生地の整列工程において打ち粉の低減に貢献する。ハイブリッドシリコーンベルトは、ベルト表面にパン生地や菓子生地などの粘着物がくっつきにくい新素材を採用、離型効果の持続性を長期にわたって維持し、パン生地や麺生地などといった粘着力の高いワーク搬送に適している。

また、同社では６月１～４日までの期間、愛知県常滑市の愛知スカイエキスポにおいて開催される予定の「ＦＯＯＭＡ　ＪＡＰＡＮ２０２１」にも出展する。

新型コロナウイルス感染拡大による影響で、同社が全国各地で実施してきた販売店向け説明会「きら星会」も対面における開催が困難な状況が続いているが、ウェブセミナーの開催やウェブ展示会への出展にも力点を置きながら、多面的な販売活動を促進させていく。食品分野においては、食品搬送用ベルトママラインシリーズの拡販、物流分野では物流用搬送ベルト「ロジスターシリーズ」の拡販を積極的に進展。ママラインシリーズについては、改定食品衛生法の施行によって、ポジティブリスト制度が導入。同社の食品用ベルトのママラインシリーズは、すべての品種が適合製品となっており、従来からの顧客にはそのまま継続しての使用が可能。適合範囲外のベルトを使用している食品工場に向けては、積極的に製品の切り替えを提案し、新規需要の掘り起こしを進めていく。

多機能ブルーベルトのほか、同社の最近の新製品としては、樹脂コンベヤベルト「Ｔａｉｌｏｒ　ｂｅｌｔ」のエンドレス加工用に樹脂製ファスナーエンドレス「Ｐｒｅｍｉｕｍファスナー」を開発。現場でピンを通せば、簡単にエンドレス加工が可能で、現場エンドレス作業が困難な場所などで、ベルト交換を容易に行うことができる。樹脂製ファスナーを採用したことで、搬送物やコンベヤを傷つけることなく、エンドレス部の段差が少なくなり、耐久性も向上。金具エンドレスの摩耗粉を嫌うラインに最適な仕様となっている。用途としては、食品や医薬の包装品の搬送、ダンボール箱やプラスチックケースなどの搬送、布地やクリーニング品の搬送、合板搬送など、ベルト多本掛けの用途に適している。