2021年6月5日

〈2021年3月期決算説明会〉朝日ラバー
実績値が予想上回る

自動車向け製品全般が回復

朝日ラバー(渡邉陽一郎社長)は24日、オンラインで決算説明会を開催し、渡邉社長自らが説明を行った。当期の売上高は前期比13・4%減の64億8700万円、営業損失は9200万円(前期は3億2500万円の利益)、経常利益は同94・7%減の1800万円、当期純利益は保有有価証券の売却益があったことで同10・2%減の1億1300万円となった。渡邉社長は「期初からの新型コロナウイルス感染症の拡大による受注減で減収減益となった。昨年末から自動車市場の回復を受け、自動車向けゴム製品の受注が回復し始める一方で、医療用ゴム製品の一部で調整があった」と総括した。なお、今年3月15日公表の通期業績予想と今回公表の実績値との間に差異が生じ、実績値はすべて前回予想を上回った。

セグメント別では、工業用ゴム事業の売上高は前期比15・0%減の53億3600万円、セグメント利益は同72・8%減の1億2100万円。第2四半期までは自動車向け製品全般、卓球ラケット用ラバー、RFIDタグ用ゴム製品などの売上高が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたが、第3四半期以降は経済環境が好転し始めており、自動車向け製品全般の受注は回復傾向となった。また、卓球ラケット用ラバーにおいても活動の再開によって徐々に受注は回復し始めた。

医療・衛生用ゴム事業の売上高は同5・1%減の11億5100万円、セグメント利益は同40・0%減の1億1200万円。第3四半期より新型コロナウイルス感染症の影響で医療診断の変化等による在庫調整の影響を受けプレフィルドシリンジガスケット製品の受注減少があった。採血用・薬液混注用ゴム製品の受注は堅調に推移した。

今期については売上高は前期比10・7%増の71億8100万円、営業利益は2億8300万円、経常利益は2億8100万円、当期純利益は同84・6%増の2億1000万円を見込んでいる。