2021年6月15日

住友化学
千葉地区に研究棟を新設

環境負荷低減技術等の拠点として

住友化学(岩田圭社長)は、千葉地区(千葉県袖ケ浦市)に環境負荷低減技術や新素材開発の拠点として、新たな研究棟の建設を決定した。新研究棟は、2024年3月の稼働開始を予定している。併せて実施する既存施設の統廃合や、他地区から新研究棟への関連するリソースの一部移管を含め千葉地区の研究開発体制を強化し、社会課題の解決に貢献する技術および材料開発を加速させる。

同社は昨年4月、千葉地区にある石油化学品研究所内に環境負荷低減技術開発グループを新設し、ケミカルリサイクルをはじめとする炭素循環や温室効果ガス排出削減について技術開発を推し進めている。加えて今年4月には、プラスチック資源循環にかかわる取り組みの事業化に向け、プラスチック資源循環事業化推進室を設置した。

今回決定した新研究棟建設を含む一連の体制強化は、世界各国・地域でカーボンニュートラルの実現に向けた動きが本格化する中、千葉地区の研究エリアを環境負荷低減技術や新素材の研究開発拠点へと変革することを目的としている。同地区は高分子設計、触媒、プロセス、コンパウンド、加工などの技術のほか、実証のためのスケールアップ設備も有している。さらに新たに研究棟を建設し、多彩な人材や知識、技術を集約することによって、これらのリソースを最大限に発揮できる体制を整備し、環境負荷低減技術のほか、次世代モビリティ材料や第5世代移動通信システム(5G)向け材料といった高難度な高分子材料開発など、革新的イノベーションの早期創出につなげる考え。新研究棟では、周辺環境や省エネルギーに配慮して設計されると同時に、研究者間の交流を促進し、独創的な製品開発に資する空間設計が導入される。

【新研究棟の概要】
▽所在地=千葉県袖ヶ浦市北袖2―1
▽規模=地上6階建、延床面積約1万9000㎡
▽省エネルギー化等環境に配慮した設計例=太陽光発電による再生可能エネルギーの利用、実験設備の換気風量制御、吹き抜けトップライトによる自然換気や採光、外皮断熱補強による空調負荷低減、リサイクルマテリアルの使用