2021年8月5日

横浜ゴム
自動車用エアコンホース

大幅な軽量化に成功

横浜ゴム(山石昌孝社長)は、自動車用エアコンホースの大幅な軽量化に成功した。現在、実用化に向けて開発を加速させており、2024年からの本格的な事業展開を目指す。

今回、軽量化に成功したホースは同社の独自技術を駆使して開発されたゴム・樹脂ポリマーアロイ(海相が樹脂で構成され、島相がゴムで構成される海島構造体)を用いることで柔軟性、耐熱性といったゴムの特性を生かしながら、樹脂の高いガスバリア性によって従来比50%の大幅な軽量化を実現している。ホースを製造する際、通常は多量に熱を使う加硫が不要となることから、カーボンニュートラル達成に貢献する。

同社はホースと配管を一体化した設計・評価を強みとしており、さまざまな顧客からの要求、配管レイアウトに対応することが可能。配管についてはオール樹脂化を進め、ホースと配管の組み合わせでも大幅な軽量化を実現する。今後は実用化に向けた開発を継続しながら、他の自動車配管への参入も目指す。

自動車産業においてはCASE、MaaS、DXなど大変革の時代が到来。世界各国が「2050年までのカーボンニュートラル達成」に向けて脱炭素化への動きを加速し、次世代環境対応車へのシフトが急進している。こうした状況にあって、航続距離の延長や燃費向上の観点から車両の軽量化が課題の一つとなっており、搭載部品への軽量化ニーズはますます高まりを見せている。

同社のホース配管事業ではゴム製、樹脂製の高圧ホースなど多くの産業を支える商品を生産販売しており、自動車用エアコンホースは日本や北米などのカーメーカーに納入している。

同社においては、新中期経営計画「Yokohama Transformation 2023(YX2023)」において、ホース配管事業をMB事業をけん引する成長事業の一つと位置付けており、今後も次世代環境対応に向けて独創的なホース配管の開発を推進していく。