2021年9月25日

【ホース・チューブ・継手特集】東拓工業
不燃で認定を取得

TAC耐熱ダクトMDー25

東拓工業が手掛けるホース・パイプ事業の現況は、今期(2022年3月期)の上期は全体的に堅調に推移しており、前年同期の実績をわずかに上回る見通しを立てている。昨年同期の市況は、コロナ禍の大きな影響を受けたことによるマイナス面はあったものの、公共工事関連において大きな影響を受けなかったことから土木分野は好調に推移、今期の上半期においても引き続き好調を維持している。太陽光発電関連については、従来の勢いに対して市場自体の衰えはうかがえるものの、まだまだ同社にとっては需要の担い手である。通信ケーブル関連のメンテナンス需要も好調に推移しており、当上期においては、同社の電設資材事業の業績を全般的にカバーしている。下期に向けては上期の勢いを維持しながら、繁忙期もまたぐことで、通期は前期の実績を上回るものと予想している。

工業分野においては、「TAC耐熱ダクトMD―25」が国土交通省の不燃認定(不燃認定番号=NM―5255)を取得。同社の耐熱ダクトは市場で高い評価を得ているが、ユーザーの不燃性に対するニーズが高まっており、同社では耐熱ダクトのアップグレードを図った。特殊コーティングガラスクロスにステンレス鋼板の補強芯を施した防炎1級の材料で、250度の温度下でも使用可能。ガラスクロスが柔軟性を備えていることから、繰り返し曲げられる特長を備えており、不燃性を求める現場に最適なフレキシブルなダクト配管となっている。防炎・防爆設備、工場配管の防火対策、熱風の吸排気、熱風発生循環装置、電気・ガスの溶接火花などの吸引などで効果を発揮する。

同社では、国土交通省が進める無電柱化事業にも取り組んでおり、同省からの指示を経て事業は着実に進展。電力会社と共同で、試験施工から進めており、その施工距離は年を追って伸びている。無電柱化に使用される敷設管では、同社の角型多条敷設管「角型TACレックス」が角型FEPの代表格として知名度を上げてきているが、条件に応じてアップグレードなどを施しながら事業の推進に貢献している。同社では11月24~26日にかけて、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「第8回無電柱化推進展」にも出展し、電柱のない街づくりを支える技術、サービスを情報発信する。

新製品である「TACダクト耐摩耐油」も着実に受注を伸ばしている。TACダクト耐摩耐油は、ニーズの高い耐摩耗性と耐油性といった性能を両立させたもので、静電気防止効果も付与。これまで対応が困難とされていた油分を含んだ粉粒体の輸送が可能となり、金属加工の廃油・廃材、油を含む産廃、集じん機、ガソリンべーバー回収、穀物、飼料などといった幅広い輸送に適している。サイズもφ38、φ50、φ65、φ75、φ100と豊富にラインアップ。

また、同社のオリジナル継手「しめTAC」についても大口径タイプを追加予定にしており、さまざまなホースのサイズに対応する。

最近では、コロナ禍の影響により展示会などにおける製品発表、情報発信の機会が減少。同社としてはホームページを発表の場として重用し、商談についてもウェブを通じてコミュニケーションの度合いを深める。同社のホームページに製品動画コーナー(新製品・おすすめ製品)を開設。今回、国土交通省の不燃認定を取得したTAC耐熱ダクトMD―25の紹介動画も公開し、同社が実施した燃焼試験のもようも収録していることで、性能への信頼性について映像を通じて高めている。同社では、今後も動画ページを有効に活用し、製品の認知度向上や新製品の紹介、ソリューションの提案に努めていく。