2021年11月30日

アシックス
「決算説明会」を開催

2021年12月期第3四半期も増収増益

アシックス(廣田康人社長)は11月5日、電話会議によって2021年12月期第3四半期の「決算説明会」を開催した。それによると売上高は前年同期比29・8%増の3222億700万円、売上総利益は同38・9%増の1612億7600万円、営業利益は同991・2%増の357億8500万円、経常利益は356億8100万円、四半期純利益は190億7300万円となり、大幅な増収増益を達成した。「第3四半期累計で売上高は4年ぶりに3000億円を超え、営業利益は6年ぶりに300億円を超過して過去最高益となった。地域別ではすべての地域で増収しており、特に米欧中オセアニアの成長が目覚ましく、いずれも30%以上の伸び率となった。収益面も日米欧中は前年同期と比べて大幅に伸びており、日米は黒字転換を果たした」(廣田社長)。ランキーパーやレースロースターなどといったデジタル分野を取り入れた効果もあって、ECにおける売上高も好調で、前年同期と比較して28・2%の成長を遂げた。

カテゴリー別では、パフォーマンスランニングの売上高は前年同期比38・0%増の1674億2600万円、カテゴリー利益は同97・1%増の400億6000万円。すべての地域で増収し、カテゴリー利益は400億円を超えて前年同期と比較して倍増した。マーケティングやデジタル投資を拡大したことで収益圧迫要因はあったものの、大幅増収によって販管費率が低下、粗利率は高粗利率商品に注力し、ECの売上高も伸びたことにより48・3%となり前年同期に対して2・7㌽アップした。

コアパフォーマンススポーツの売上高は同29・7%増の352億6900万円、カテゴリー利益は同146・1%増の66億1900万円。売上高は主要地域で2ケタの増収、当初計画比でもプラスとなった。日本ではワーキングシューズに加え、各種大会の再開によって好調に推移。北米、欧州ではテニスシューズ、インドアシューズが増収をけん引した。カテゴリー利益については、主要地域における増収および粗利率改善によって大幅増益、粗利率は主要地域を中心に改善されており、46・2%となり3・3㌽のプラスとなった。

スポーツスタイルの売上高は同19・5%増の265億6100万円、カテゴリー利益は同192・2%増の47億2200万円。主要地域て増収となり、日本、欧州、オセアニアでは2ケタ成長、当初計画比でもプラスとなった。チャネルすべてで増収し、特にキーアカウントとコラボレーションした販売施策により、ホールセールにおける売り上げが好調に推移した。収益面では、主要地域での増収および粗利率改善により大幅増益、粗利率は北米、欧州などで改善して47・9%となり、4・9㌽アップした。

アパレル・エクィップメントの売上高は同18・6%増の253億7500万円、カテゴリー損失は6700万円と前年同期に比べて大幅に損失幅を縮小した。主要地域で増収となり、日本、北米、欧州地域では2ケタ増、すべてのチャネルで増収となった。収益面は北米以外の地域で黒字転換を果たし、全体では大幅改善。粗利率は主要地域およびオセアニアで改善され、42・1%となり5・4㌽アップした。

オニツカタイガーの売上高は同19・5%増の303億8600万円、カテゴリー利益は同38・5%増の53億7900万円。中華圏、東南・南アジア地域がけん引し、全チャネルで増収、日本における顧客向け売り上げも増加した。DTC売上構成増加およびWS事業の見直しにより、粗利率は60・6%となり、前年同期と比べて0・7㌽アップした。収益面については、ミラノファッションウィークへの参加など、ブランド価値向上に向けた投資を行いながらも増益した。

地域セグメント別では、日本地域の売上高は同21・7%増の863億5600万円、セグメント利益は44億700万円。北米地域の売上高は同35・8%増の662億6700万円、セグメント利益は27億4800万円となり、いずれの地域もパフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツが好調であったことにより増収。増収効果および粗利益率の改善などにより、収益面も改善された。欧州地域の売上高は同32・9%増の909億5900万円、セグメント利益は同167・6%増の145億7600万円。パフォーマンスランニングやスポーツスタイルが好調であったことで増収。増収効果の影響および粗利益率の改善などで、前年同期と比べて大幅増益となった。中華圏地域の売上高は同32・6%増の410億4600万円、セグメント利益は同115・6%増の91億8100万円。パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調であったことで増収。増収効果に加え、ホールセールやリテール向け商品の粗利率の改善などにより大幅な増益となった。オセアニア地域の売上高は同36・4%増の192億3200万円、セグメント利益は同52・2%増の29億2500万円。パフォーマンスランニングやスポーツスタイルが好調であったことで増収。収益面はリテール向け商品の粗利率の改善などにより増益となった。東南・南アジア地域の売上高は同26・1%増の77億5300万円、セグメント利益は同477・6%増の7億2600万円。パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調であったことで増収。収益面については増収の影響に加え、粗利益率の改善などにより、前年同期に比べて大幅増となった。その他地域の売上高は同27・6%増の262億2900万円、セグメント利益は同435・9%増の18億4300万円。パフォーマンスランニングやスポーツスタイルが好調であったことにより増収、収益面も大幅増となった。

通期については、売り上げ面ではパフォーマンスランニングが北米、欧州が前回予想を上回る業績で推移、販管費コントロールの強化などにより、営業利益(営業利益率)、経常利益、当期純利益を上方修正した。売上高は前期比20・1%増の3950億円、営業利益は200億円(前回予想値145億円)、営業利益率は5・1%(同3・7%)、経常利益が190億円(同135億円)、当期純利益を40億円(同25億円)と見込んでいる。