2021年12月10日

西部ゴム商組
近畿支部会・講演会開く

実会場では2年ぶり、懇親会も

西部工業用ゴム製品卸商業組合(岡浩史理事長)は12月3日、同組合の近畿支部会および講演会を大阪市北区のリーガロイヤルホテルで行った。昨年はコロナ禍によって実会場での開催中止を余儀なくされたことから、今回は2年ぶりの開催。講演会の後には懇親会も行われ、参加した組合員は久しぶりの会合と宴席においてコロナ禍に悩まされた以前の時代に立ち返ったムードに包まれた。

近畿支部会の会場では、3人掛けの長テーブルに一人が着席するスタイルで密を回避。登壇者と参加者の間にはアクリルパネルが設けられ、ウイルスの感染防止に向けての配慮が尽くされた。

壇上に上がった田井登支部長は、ミニハイキングや規模を抑制して行われたソフトボール大会など、大阪ゴム商業会との共催で実施された事業内容を報告。今後の活動については「新型コロナウイルスの感染対策で密を避ける理由から、残念ながら3月に実施を予定していたボウリング大会は中止となった。今後はフットサル大会として種目を置き換え、第1回目の実施に向けて準備を進めている。ボウリング大会以外の共催事業については予定通りに実施に至り、来年についても可能な限り事業計画通りに進めていきたい。日本の経済やグローバルでの存在感に大きくかかわっている要因として、国連で採択されたSDGsの169のターゲットのうち、5番目に定められているジェンダー平等ではないかと考えている。日本では男女雇用機会均等法という法整備が行われているが、実態に即してはいない。女性の参画、リーダーシップの力が十分に引き出される組織こそが本質的な力を発揮できると考えており、当組合においても当てはまると思う。今後においても女性の組合員育成が大きな役割を占めており、女性の役員、いずれは女性の理事長が活躍する時代を視野に入れ、活動していく必要もあるのではないか」と提言し、支部会を締めくくった。

引き続き講演会が行われ、講師として招かれたポスティコーポレーションの馬場孝仁社長が登壇。「2021年のゴム産業トピックスとSDGs×RUBBER」の演題で熱弁を振るった。最近の業界トピックスとして原料・製品値上げの状況やメーカーの事業再編の背景、コロナ禍によってもたらされた変革などについて解説、SDGsの目標とリンクしている業者の業容発展に向けた取り組みや、SDGsの達成が企業にメリットをもたらすメカニズムなどについて解き明かした。

講演終了後、10月24日に逝去した朝日商工の小谷晃久前社長の跡を継ぎ、新たに社長に就任した谷村貴洋氏が紹介され、新たなトップとしたあいさつ。「引き続き社業の発展に尽くしていきたいと考えているので、皆さんのご指導ごべんたつをお願いしたい」と述べた。

続けて、会場を移して懇親会を開催。着座により移動時など食事の際以外はマスク着用、アクリルパネルによって近隣の席との接触を避け、食事や飲み物の配膳も専門のスタッフがすべてこなすなど、万全の感染防止体制の下で祝宴の幕が上がった。

開宴に当たって岡理事長は「数年ぶりに祝宴を開くことができて感無量に思う。コロナ禍が収まってきたとは言え、懇親会の開催にまで踏み切った催しは少ないことから、パイオニアとしての位置付けになれればと思う。日本経済について肌で感じた感想としては、当組合の共催事業で赴いた京都は非常ににぎわっていた。高速道路もトラックの数が目立っており、経済活動が活発化している印象を持った。各社によって業績にバラつきはあると思うが、11月辺りから受注が増えており、今ではむしろモノ不足に悩まされている。ただし値上げも急激に進んでおり、今後においては決して楽観視できないが、皆で頑張って力強く前に進んでいきたい」と今後の意気込みを述べた。

宴たけなわで、中締めを行った同組合の小島孝彦事業委員長は「コロナ禍が落ち着きを見せつつある状況下、われわれを取り巻く経済環境はますます変化の度合いを加速させている。カーボンニュートラルやDX、SDGsなどさまざまな新たなテーマが取りざたされており、われわれとしても新しいビジネスに取り組んでいかなければならない。来年こそはコロナ禍も収束し、皆さんの会社が隆盛を極めていることを願う」と発奮に満ちた言葉を述べ、2年ぶりにマスク越しの一本締めで祝宴の幕を下ろした。