イノアックコーポレーション
量産プロセスの開発に成功
高性能断熱材
「フレキシブルエアロゲル」
イノアックコーポレーション(井上聰一代表取締役)の研究機関であるイノアック技術研究所(所在地・神奈川県秦野市、近藤信郎所長、以下、ITC)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(石塚博昭理事長、以下、NEDO)が主導するプログラムにおいて、共同研究先である産業技術総合研究所(石村和彦理事長、以下、産総研)と共同で、高い柔軟性と加工性を持つ高性能断熱材「フレキシブルエアロゲル」量産プロセスの開発に成功したことを発表した。
近年、脱炭素化社会の実現に向け、温室効果ガス排出量低減への取り組みが世界的に加速する中、電力削減に寄与できる断熱材料の需要が拡大。高性能断熱材の一般普及においては、断熱性能の向上だけでなく、成形加工性の付与が必要とされている。
NEDOが主導する同プログラムにおいて、産総研とITCは微細な気泡構造を有するポリプロピレン発泡体と、断熱性に優れるシリカエアロゲルを複合化した高性能断熱シートのフレキシブルエアロゲルを今回開発した。
発泡体の内部気泡にエアロゲルを均一性高く、高充てん率できる製造プロセスを開発(エアロゲル含有率90体積%以上)するとともに、流体解析シミュレーションに基づく超臨界流体の制御技術を確立し、パイロットスケールでの製造実証を完了させている。
今後の展開としてはパイロット生産設備での実証生産を終え、長尺サンプルの提供が可能となったことから、量産体制の整備と製造プロセスを合理化し、早期の一般販売を目指す。
なお、1月26~28日まで東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「ENEX2022 第46回地球環境とエネルギーの調和展」(主催・省エネルギーセンター)内のNEDOブースと産総研ブースにおいて、フレキシブルエアロゲルが展示され、来場者の注目を集めた。