住友ゴム工業
同社初の市販用ＥＶタイヤ

住友ゴム工業（山本悟社長）は、同社史上最高レベルの低電費性能を誇る同社初の市販用ＥＶタイヤＤＵＮＬＯＰ（ダンロップ）「ｅ.ＳＰＯＲＴ　ＭＡＸＸ（イースポーツマックス）」を、ＥＶ化が急速に進む中国市場で４月から、また同様にＥＶ市場が拡大する欧州においても市販用ＥＶタイヤとしてＦＡＬＫＥＮ（ファルケン）「ｅ.ＺＩＥＸ（イージークス）」を２０２３年から発売予定であることを発表した。

ＥＶ市場は世界的な環境意識の高まりとともに、近年急激に拡大している。その中でも、中国政府および欧州委員会はＥＶの導入比率やＣＯ２削減量に対して高い目標を掲げており、世界有数のＥＶマーケットとなっている。このような市場環境を踏まえ、中国、欧州へ投入を行い、今後も順次発売地域を拡大していく。

今回のＥＶタイヤの開発にあたり、同社が最も注力したのが低電費性能と静粛性能の追求。ＥＶが一回の充電で走ることができる航続距離を伸ばすためには、転がり抵抗を低減し電費を抑えることが求められる。同社が持つ材料開発技術を活用しゴムの配合を工夫することによって、同社史上最高レベルの低電費性能を実現し、さらにウエット性能と操縦安定性能を高次元で両立させている。またＥＶはエンジン音がしないため、路面やタイヤからのノイズを感じやすいと言われているが、同社独自の「サイレントコア（特殊吸音スポンジ）」の搭載で優れた静粛性を実現。さらに、タイヤ自体を軽量化することによって省資源化を図り、環境負荷の低減に貢献する。

性能面に加え、サイドウォールのロゴには同社独自の黒色デザイン技術「Ｎａｎｏ　Ｂｌａｃｋ（ナノブラック）」を採用し、デザイン性も追求。ユーザーのさまざまなニーズに対応しながら、同社史上最高レベルの低燃費性能を誇るＥＶタイヤとなっている。

同社は昨年８月にサステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ２０５０」を発表し、これまでも環境問題の解決に取り組んできた。今回のイースポーツマックスの発売はこの長期方針に沿った製品であり、ＥＶの電費改善および同社で使用する資源の削減を通じてカーボンニュートラルの達成を目指す。

２月９日に行われた決算説明会の中で山本社長は「当社史上最高レベルの低電費性能を誇る当社初の市販用ＥＶタイヤの中国、欧州への投入に加えて当社が強みとするＩＭＳ（パンク応急修理キット）、ＤＷＳ（空気圧低下警報装置）、センシング技術、さらにソフトウエアを加えたソリューションビジネスでＣＡＳＥ時代に対応していく」と、述べた。