2022年2月25日

2021年12月期決算説明会
アシックス

売上高4年ぶりに4000億円超

アシックス(廣田康人社長)は2月14日、WEBライブ配信によって2021年12月期決算説明会を開催した。当期の売上高は前期比22・9%増の4040億8200万円、売上総利益は増収効果により同30・8%増の1998億7800万円、営業利益は219億4500万円(前期は39億5300万円の損失)、経常利益は221億6600万円(同69億2300万円の損失)、当期純利益は94億200万円(同161億2600万円の損失)となり、大幅な増収増益となった。「感染症の影響はあったものの、パフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツを中心に、すべての地域で好調に推移した結果、今期の売上高は4年ぶりに4000億円を超えた。利益面についても黒字転換を果たし、特に営業利益については日米においても黒字となり、5年ぶりに200億円を突破した」(廣田社長)。当期純利益は、将来年度も中期経営計画を上回って業績が推移する見込みであることから、期初より繰延税金資産を追加計上、その結果、昨年11月のガイダンスを大きく上回って大幅増益となった。収益性改善および運転資本改善(前期比63億円良化)したことで、過去最高である約500億円の営業活動キャッシュフローを創出している。

全世界においてECの売上高が伸びており、前期比23%増。売上高全体に占めるEC売り上げ比率は16%となった。

カテゴリー別では、パフォーマンスランニングの売上高は同31・0%増の2082億6800万円、カテゴリー利益は同71・2%増の426億3400万円。全地域において大幅増収となり、日本、北米、欧州、中華圏では2ケタの増収、当初計画をも大幅に上回った。新型コロナウイルス感染拡大前の19年との比較でも中華圏で同76・6%増、北米で同22・4%増、欧州で同21・3%増。社長直轄組織が開発したレーシングシューズの「METASPEED(メタスピード)」がトップアスリートの活躍をサポートし、その機能とデザインを踏襲した商品ラインアップによってSPEEDモデルの売上高は同60・9%増となった。利益面については、利益性の向上に力を注いだ結果、利益を伴う成長を加速させた。

コアパフォーマンススポーツの売上高は同23・2%増の413億3200万円、カテゴリー利益は同260・5%増の50億400万円。ほぼすべての地域で売上高は2ケタ増と好調に推移し、北米、欧州ではテニスシューズ、インドアシューズが増収をけん引した。利益面については増収効果に加え、粗利益率の改善によって大幅増益となった。

スポーツスタイルの売上高は同12・5%増の332億5200万円、カテゴリー利益は同110・1%増の43億1000万円。主要地域で増収となり、欧州、中華圏、オセアニア地域では2ケタの成長を果たし、当初計画値をも上回った。粗利益率の主要地域での改善によって大幅な増益となった。

アパレル・エクィップメントの売上高は同14・5%増の341億1500万円、カテゴリー損失は1億7500万円(前期は約53億円の損失)となり、粗利益率の改善により前期に比べ損失額は大幅に縮小した。売上高については日本、北米、欧州、中華圏、オセアニアでの好調が増収に貢献した。

オニツカタイガーの売上高は同13・6%増の385億4500万円、カテゴリー利益は同34・6%増の48億6800万円。中華圏で約20%、東南・南アジア地域においても42%以上の売上高の伸びを果たした。利益面はマーケティング投資等を積極的に行いながら、DTC(ダイレクト・トゥ・コンシュマー)ビジネスへの注力、WS(ホールセール)事業の見直しによって粗利益率が59・2%と向上、増収効果もあって増益を果たした。

地域セグメント別では日本地域の売上高は同16・4%増の1099億1100万円、セグメント利益は11億9300万円(前期は37億9100万円の損失)。パフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツの好調により増収、利益面は増収効果および販管費率の低下などにより、黒字に転換した。

北米地域の売上高は同31・8%増の861億7600万円、セグメント利益は8億4800万円(前期は45億4800万円の損失)。パフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツの好調により増収、増収効果に加え、利益面は粗利益率の改善などにより、黒字に転換した。

欧州地域の売上高は同22・1%増の1066億400万円、セグメント利益は同138・2%増の108億8900万円。パフォーマンスランニング、コアパフォーマンススポーツやスポーツスタイルが好調で、増収効果および粗利益率の改善などにより、大幅増益となった。

中華圏地域の売上高は同27・9%増の525億9300万円、セグメント利益は同112・5%増の91億4700万円。パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調に推移、増収効果に加え、WSやRT(リテール)向け商品の粗利益率の改善などで大幅増益となった。

オセアニア地域の売上高は同24・2%増の247億5600万円、セグメント利益は同23・6%増の33億4700万円。パフォーマンスランニングやスポーツスタイルが好調であったことから増収増益となった。

東南・南アジア地域の売上高は同27・5%増の109億300万円、セグメント利益は同533・7%増の9億6400万円。パフォーマンスランニングやオニツカタイガーが好調で、増収効果もあって大幅な増益となった。

その他地域の売上高は同24・3%増の351億3300万円、セグメント利益は同284・3%増の17億9700万円。パフォーマンスランニングやコアパフォーマンススポーツが好調であったことにより、大幅増益となった。

今期は「幅広いランナーのニーズにこたえる商品ラインアップの充実に引き続き力を注ぐ。BOUNCEモデルも売り上げが前期比で2倍を超える成長を遂げていることから、引き続いて若者中心に顧客層の拡大を目指す。SPEEDモデルの新作も投入を予定しており、パフォーマンスランニングで勝利を収める」(同)。今期予想については、売上高を前期比3・9%増の4200億円、営業利益を同4・8%増の230億円、経常利益を同1・5%増の225億円、当期純利益を同43・6%増の135億円と見込んでいる。配当についても、今期は1株当たり過去最高となる32円を予想している。