2022年5月15日

デンカ
トアス工場で球状シリカの戦略投資

グループ全体で生産能力3割増強

デンカ(今井俊夫社長)は環境・エネルギー分野のさらなる成長を目的として、シンガポールの連結子会社であるDenka Adⅴantech(以下、DAPL)のトアス工場に球状シリカの戦略投資を行い、グループ全体での生産能力を約3割増強することを決定した。

同社の球状シリカは同社独自の高温溶融技術で球状化された高球形シリカで、高絶縁性、低熱膨張性を生かして半導体封止材料や半導体パッケージ基板、各種樹脂への充てん材として使用されており、高速・大容量データ通信(5G)・自動車の電動化(xEV)によって、近年需要が増加傾向にある。

球状シリカの世界シェア約3割を占める同社では、大牟田工場(福岡県大牟田市)およびシンガポールの2拠点体制で生産を行っているが、今後のおう盛な需要に対応するため、シンガポールの製造設備を増強し、中長期的な安定供給体制を構築する。竣工時期は2024年の予定。

中期経営計画「Denka Value―Up」で、xEV・5Gを中心とした環境・エネルギー分野を重点分野の一つと位置付けている同社は昨年10月、大牟田工場で球状シリカを含む「次世代の高機能球状フィラー製造設備の増強」を決定し、さまざまな先端・高信頼性分野に対応可能な品ぞろえを可能とする戦略投資を行う。

今回、大牟田に加えてシンガポールへの戦略投資を通じて2拠点生産体制のBCP(事業継続計画)対応をさらに強化するとともに、先端・高信頼性分野への事業展開を加速させる。