2022年6月15日

TOYO TIRE
新商品タイヤの試走会を実施

オープンカントリーA/TⅢ
オン・オフ性能体感

TOYO TIRE(清水隆史社長)は国内市場において、SUV用タイヤブランド「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」シリーズから、「OPEN COUNTRY A/TⅢ(オープンカントリーエーティースリー)」を7月より順次発売する。発売サイズは15インチの265/70R15 112T~20インチの265/55R20 113H XLの29サイズ。大型SUV車両の普及率が高い北米市場では2020年2月の発売以来、厚い支持を獲得しているタイヤで、今回は日本市場に向けてもさまざまな気象条件や路面状況でバランス良く安定した性能を発揮するオールテレーンタイヤとして投入する。

同社ではさる5月20日、販売開始に先立って愛知県豊田市のさなげアドベンチャーフィールドで新商品の試走会を開催。会場へは名鉄三好ケ丘駅から現地までの行程を、同社テストドライバーが運転するオープンカントリーA/TⅢ装着車両(トヨタRAV4)に同乗して移動、まずは新製品の性能と持ち味をオンロードで体感することができた。走り出してすぐに実感したのはその高い静粛性。良好なコンディションの舗装路ではもちろんのこと、路面状況がやや荒れた路面に変化してもノイズは依然として少なく快適な走行を維持する。また、上り坂の急なカーブでも高いコーナリング性能を発揮。腰砕け感などはなく、しっかりと路面をグリップしてスムーズに曲がり、力強く登っていく。見通しの良い片側2車線の道路ではある程度の速度でレーンチェンジを行ったが、やはりふらつきを感じることはなく安定した車線の移行ができることを確認した。

試走会場に到着後はまず商品説明会が開かれた。冒頭、あいさつに立った北川治彦経営基盤本部長は「当社ではこれまでBAJA1000など過酷なオフロードレースに挑戦し、その結果を開発にフィードバックすることで革新的な性能向上につなげてきた。米国で不動の地位を築いたオープンカントリーだが、将来的なアウトドアブームの高まりを視野に2016年に日本市場に投入。その後ラギッドテレーン、オールテレーン、マッドテレーンと製品ジャンルを拡充しながら2019年より本格的な販売を展開しており、ジムニー、デリカ、RAV4、ランドクルーザープラドなど国内人気車種に向けた商品を順次発売してラインアップを強化している。アウトドアやオフロード走行を楽しむユーザーの新たな選択肢として、オンロードでもオフロードでも求められる性能にこたえるオープンカントリーA/TⅢの仕上りをぜひ体感して頂きたい」と同シリーズのこれまでの歴史を振り返った。

引き続き、技術開発本部REタイヤ開発部商品開発グループ担当リーダーの三宅正也氏が開発コンセプトおよび採用技術について説明。新商品はオンロード、オフロードのあらゆる地形と気象環境に対応し、快適性にも配慮したラージブロックデザインを導入。騒音・転がり抵抗・ウエットグリップ性能など欧州の高い環境基準にも適合しており、悪路や林道、さらには雪道でも走行可能な走破性能を有する(シビアスノー要件を満たしたスノーフレークマークを打刻)。同じく国内仕様にアレンジされた「オープンカントリーA/T plus」との比較ではスノー制動もさらに向上させており、パターンノイズの低減に向けては「5ピッチバリアブルパターン」を採用した。ほかにもトラクション性能を向上させる〝ジクザグブロック〟採用の「ラージトラクションブロック」ではスノートラクション、オフロード性能を高めるためにジグザグ溝の増強も図った。タイヤ構造の主な特長としては「ジョイントレスキャップ&エッジプライ」「高強力スチールベルト」「高剛性プライ構造」など操縦安定性に寄与するさまざまな技術を搭載。これらの採用技術と仕様によってウエット操縦安定性は従来品(A/T plus)との比較でほぼ同等。スノー制動、スノー操縦安定性、オフロード性能、ドライ操縦安定性、耐摩耗性についてはそれぞれの性能を確実に上回るパフォーマンスを実現させた。

施設内での商品説明の後はいよいよオフロードでの試走会を開始。コースでは最初にチームランドクルーザー・トヨタオートボデーで活躍するラリードライバー、三浦昂選手がハンドルを握るランドクルーザー200に同乗してデモランを体験。本物のラリー走行の迫力に終始圧倒されっぱなしであったが、三浦選手が「オープンカントリーは運転することが楽しくなってくるタイヤ」と話していたようにスリルに満ちたダイナミックな走りを楽しむことができた。その後はオープンカントリーアンバサダーを務めるTEAM JAOSドライバーの能登知徳氏が運転するランドクルーザーに同乗しての試走と参加者が自ら運転しての試走も行われ、急カーブでも追随するコーナリング性能や傾斜のきつい下り坂でもブレーキをかけるとぐっと踏ん張ってくれる感触を実感。また長い急傾斜の下り坂においては車両搭載DAC(ダウンヒルアシストコントロール)を活用した低速走行や砂利が浮いた滑りやすい上り坂など多くのシビアな路面を体験したが、いかなるコンディションの凸凹路面でもトラクションがしっかりとかかり、安定した走行をサポートしていることが強く印象に残った。